プログレッシブ・ロックのおすすめアルバム、楽曲、関連話など

   

イギリスプログレ誌「Prog Magazine」の「最も素晴らしいプログレ・アルバムTOP100」で想う。


雑誌「Prog Magazine」とは

雑誌「Prog Magazine」は、1970年代から1980年代をメインに幅広いロック系アーティストをトピックに取り上げるイギリスRock雑誌「Classic Rock Magazine」の別冊枠として隔月発行されています。輸入盤で購入し、英語の誌面を閲覧してもプログレッシブ・ロック系が持つアートさがあるため、読み心地が良いんですよね。

「最も素晴らしいプログレ・アルバムTOP100(The 100 Greatest Prog Albums Of All Time)」に想いを馳せて

その「Prog Magazine」第48号で「最も素晴らしいプログレ・アルバム TOP100(The 100 Greatest Prog Albums Of All Time)」を発表しました。ランキングは雑誌の読者と雑誌、およびミュージシャンによる投票結果に基づくそうです。

当レビューはプログレッシブ・ロックを話題(おすすめアルバム、楽曲など)を扱っています。
おそらくイギリス中心だろうと思われる投票結果に、先入観をもちそうですが、最新のベスト・ランキングからいろいろと考察していきましょう。5大プログレバンドであるYes、Genesis、Pink Floyd、King Crimson、Emerson, Lake & PalmerはTOP100にしっかりとランキングされてますが、ランキングされたアルバムの数やその他アーティストのバランスが面白い?!
まずは、ベスト100をピックアップします。
(と同時に、当レビューで紹介している「プログレすすめアルバム」へのリンクも追加しています。)

「最も素晴らしいプログレ・アルバムTOP100」と「プログレおすすめ」のアルバム

「Prog Magazine」第48号リリース

順位 アルバム(原題) アルバム(邦題) アーティスト おすすめ
1 Close To The Edge 危機 Yes
2 In The Court of the Crimson King クリムゾン・キングの宮殿 King Crimson
3 Selling England By The Pound 月影の騎士 Genesis
4 Dark Side of the Moon 狂気 Pink Floyd
5 Thick As A Brick ジェラルドの汚れなき世界 Jethro Tull
6 Foxtrot フォックストロット Genesis
7 Wish You Were Here 炎~あなたがここにいてほしい Pink Floyd
8 The Lamb Lies Down on Broadway 眩惑のブロードウェイ Genesis
9 The Raven Who Refused To Sing Steven Wilson
10 Fragile こわれもの Yes
11 Brain Salad Surgery 恐怖の頭脳改革 Emerson, Lake &Palmer
12 Red レッド King Crimson
13 Moving Pictures Rush
14 Animals アニマルズ Pink Floyd
15 2112 Rush
16 The Wall ザ・ウォール Pink Floyd
17 Scenes From A Memory Dream Theater
18 Fear of a Blank Planet Porcupine Tree
19 Relayer Yes
20 Misplaced Childhood 過ち色の記憶 Marillion
21 A Trick of the Tail Genesis
22 Tales from Topographic Oceans 海洋地形学の物語 Yes
23 Hemispheres Rush
24 Pawn Hearts Van Der Graaf Generator
25 Images and Words Dream Theater
26 Going for the One 究極 Yes
27 Deadwing Porcupine Tree
28 Tarkus タルカス Emerson, Lake &Palmer
29 Brave Marillion
30 Larks Tongues In Aspic 太陽と戦慄 King Crimson
31 The Snow Goose Camel
32 The Yes Album Yes
33 Lateralus Tool
34 Bridge Across Forever Transatlantic
35 In the Land of Pink and Grey Caravan
36 Blackwater Park Opeth
37 Meddle おせっかい Pink Floyd
38 English Electric Big Big Train
39 The Whirlwind Transatlantic
40 Script for a Jester’s Tear Marillion
41 Nursery Cryme 怪奇骨董音楽箱 Genesis
42 Trilogy トリロジー Emerson, Lake &Palmer
43 Aqualung アクアラング Jethro Tull
44 Wind and Wuthering 静寂の嵐 Genesis
45 Colours Between The Buried and Me
46 Ghost Reveries Opeth
47 Clutching at Straws Marillion
48 The Incident Porcupine Tree
49 A Passion Play Jethro Tull
50 Grace for Drowning Steven Wilson
51 Mirage 蜃気楼 Camel
52 Marbles Marillion
53 A Farewell to Kings Rush
54 The Mountain Haken
55 Journey to the Centre of the Earth 地底探検 Rick Wakeman
56 Acquiring the Taste Gentle Giant
57 Crack the Skye Mastodon
58 Moonmadness Camel
59 Weather Systems Anathema
60 Tubular Bells チューブラー・ベルズ Mike Oldfield
61 De-loused in the Crematorium The Mars Volta
62 Aenima Tool
63 The Parallax II Between The Buried and Me
64 Operation Mindcrime オペレーション・マインドクライム Queensryche
65 Octopus Gentle Giant
66 In Absentia Porcupine Tree
67 Insurgentes Steven Wilson
68 Rock Bottom Robert Wyatt
69 Permanent Waves Rush
70 Discipline King Crimson
71 Atom Heart Mother 原子心母 Pink Floyd
72 Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band The Beatles
73 Godbluff Van Der Graaf Generator
74 Hot Rats Frank Zappa
75 Free Hand Gentle Giant
76 Songs from the Wood Jethro Tull
77 Crime of the Century Supertramp
78 Still Life Opeth
79 Emerson, Lake & Palmer Emerson, Lake & Palmer
80 Six Degrees of Inner Turbulence シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランス Dream Theater
81 Leftoverture 永遠の序曲 Kansas
82 Subterannea IQ
83 Still Life Van Der Graaf Generator
84 Remedy Lane レメディ・レーン Pain of Salvation
85 UK 憂国の四士 UK
86 Six Mansun
87 OK Computer OK コンピューター Radiohead
88 Snow Spock’s Beard
89 Awake アウェイク Dream Theater
90 Afraid of Sunlight アフレイド・オブ・サンライト Marillion
91 Damnation Opeth
92 The Six Wives of Henry the Eighth ヘンリー八世の六人の妻 Rick Wakeman
93 Storm Corrosion Storm Corrosion
94 War of the Worlds Jeff Wayne
95 To Our Children’s Children’s Children 子供たちの子供たちの子供たちへ The Moody Blues
96 Lizard King Crimson
97 Voyage of the Acolyte 侍祭の旅 Steve Hackett
98 Tago Mago タゴ・マゴ Can
99 Moving Waves Focus
100 Drama Yes

まずは個人的に考察してみる。

Yesのアルバム「Close To The Edge(邦題:危機)」はプログレッシブ・ロック系のアルバムでも好きなアルバムなので、ランキング1位は嬉しかったです。また、当レビューでも取り上げているAnathemaの「Weather System」がランキングされていたり、いつかは取り上げたい、好きなバンド:Haken、Big Big Trainがあるのもニンマリしますね。
いっぽうで驚いたのが、Radiohead、Mansunなどのプログレッシブ・ロック系よりも、オルタナティブ系やポストロック系のバンドと括られているだろうバンドの名前がちらほら見えたところです。前述のAnathemaもゴシックメタル系からプログレへクロスオーヴァーし、現在では抒情性のあるシンフォニック系、最新作ではポストロック系っぽさもあると思うんです。ここ最近のプログレ系へのジャンル定義が幅広くなってきたと感じずにはいれませんね。

反面、2000年代のプログレなバンドで有名なスウェーデンのプログレッシブ・ロックバンド:Moon Safariや1980年代のヴィンテージ系を活かしたバンド(Anekdoten、Anglagardなど)が1枚もランキングされていないのが少し不思議でしたね。

さらに考察してみる。

1.「5大プログレバンド」な存在

俗に云われる5大プログレバンドであるYes、Genesis、Pink Floyd、King Crimson、Emerson, Lake & PalmerはTOP100にしっかりとランキングされていましたね。ただ、Yesが7枚、Genesisが6枚、Pink Floydが6枚、King Crimsonが5枚、Emerson, Lake & Palmerが4枚です。ランキングされたアルバムの枚数で優越を判断してしまうのは少し厳しいかもしれません。

まずYes、Pink Floyd、Emerson, Lake & Palmerの3つのバンドは頭角を現した時期から人気が衰退したであろう時期までのアルバムが網羅されている印象があるんです。1stアルバムがアートロック系だったYes、サイケデリック系だったPink Floydからすれば納得がいきますし、1stアルバムから最強の4thアルバムまでのEmerson, Lake & Palmerは最初からプログレの最強トリオのような印象さえ納得せざろうえません。

Genesisは個人的に2nd「Trespass(邦題:侵入)」が好きなのですが、ランキングには3rdアルバム「Nursery Cryme(邦題:怪奇骨董音楽箱)」からランキングされています。そして、上記3つのバンドと同傾向です。

そして、King Crimsonは1st「In The Court of the Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿)」や5thアルバム「Larks Tongues In Aspic(邦題:太陽と戦慄)」など、プログレ名盤と云われるアルバムはありますが、すべてが網羅されていない!個人的に好きな3rd「Lizard」がランキングされてはいますが・・・

2.「5大プログレバンド」に割入る存在

ランキングされたアルバム数が4枚以上で「5大プログレバンド」に数で割入る存在で、Marillionが6枚、Rushが5枚、Jethro Tullが4枚、Dream Theaterが4枚、Porcupine Treeが4枚、Opethが4枚でしょうか。特徴として、Jethro Tullが10位以内に1枚ランキングされていますが、「5大プログレバンド」のように1枚か2枚は10位以内にランキングされてはいないのです。それでも、イギリス以外の国や1980年代以降の世代を反映した内容がランキングに反映しているといえば反映しているのかな、とは思いました。ポンプロック系で隆盛したMarillionはとても印象深いかなと思いました。現在2014年8月のランキングですから、さらに時代が経ち、さらにプログレのファンが増えれば、もっと異なる「プログレの存在」が出てくるかもしれません。少なくとも、1970年代から約半世紀ほど経ち、それでも「5大プログレバンド」のアルバムが上位にあるということは、あらためてその存在が大きいとも感じられますね。

3.偏りな存在

当レビューではワールドワイドにプログレ系のバンドを取り上げています。お気づきな方も多いと思いますが「5大プログレバンド」やプログレで有名なバンドをまだまだ扱ってはいません。上記「最も素晴らしいプログレ・アルバムTOP100」と「プログレおすすめ」アルバムのランキング表の右側にある「●」で書かれたランキングが少ないです。それを抜きにしても、ドイツのクラウトロック、イタリアのプログレがあまりランキングされていないのが疑問的なところでしょうか。いずれもプログレのエッセンスにユニークさがあるのだから、投票の地での影響からなのか、時期が変われば変わるかもしれませんね。

たとえば、投票者1人につき、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアでそれぞれ好きなアルバムを1枚ずつ投票など、国別やエリア別な投票があったら印象が異なっていたかもしれません。

結論

本来プログレッシブ・ロックが隆盛した国がイギリスであると個人的に考えています。そのイギリスで発行される「Prog Magazine」誌でのプログシッブ・ロックのランキングは興味深く、とてもためになりました。
プログレを発信する地域性にランキングに偏りがあると考えたとしても、これまでプログレッシブ・ロックのアルバムとして取り上げられていないバンドが取り上げられたことも含め、1960年代後半から現在2014年までの総合的なプログレのTOP100として、とても重要な結果だと思うんです。確かに変拍子や変調の楽曲も多いRadioheadのアルバム「OK Computar」をプログレ視点であらためて聴いてみようとも思いましたよ。

みなさんはいかがですか?
「当レビューのコンテンツ「プログレおすすめ」のアルバムの更新情報が遅くて、プログレが聴きたい気持ちがおさえらない!!」という方はぜひぜひご参考頂ければと思います。

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Comment

  1. torioden より:

    はじめまして。
    興味深く本記事を拝見いたしました。
    英国のプログレファンの現時点での嗜好、
    こんな感じなのですね。
    5大バンドやJethro Tullはともかくとして、
    ELPはSteven Wilson よりも上位に組み込む事ができずTOP10の外なんですね。

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