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プログレおすすめ:YES「Close To The Edge(邦題:危機)」(1972年イギリス)


YES -「Close To The Edge(邦題:危機)」

第2回目おすすめアルバムは、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド:YESが1972年に発表したアルバム「Close To The Edge」をご紹介します。
YES「Close To The Edge(邦題:危機)」
YESの5枚目にあたるアルバム「Close To The Edge(邦題:危機)」は、前作3rdアルバム「Fragile(邦題:こわれもの)」と並び、最高傑作と言われてる1枚です。
Jon Anderson(ボーカル)、Chris Squire(ベース)、Bill Bruford(ドラム)、Steve Howe(ギター)、Rick Wakeman(キーボード)という歴代YESのメンバーでは最強メンバーで構成された2枚目のアルバムです。

楽曲について

冒頭1「Close To The Edge」は、小鳥のさえずりなど自然を感じさせるSEで幕を開ける約19分にも及ぶ長尺の楽曲です。きっと聴き手は、SEに心は高揚し楽曲のクロージングまでに感じる「生命力」の一端を感じてしまうかもしれませんね。次に耳にするのは、聴けばSteve Howeと分かるユニークな「ささくれたちさ」を感じるギターのフレーズで痛々しいイメージを感じもしますが、各パートの途中途中でYES特有の清涼感あるコーラスや、Bill Brufordによる手数の多いパーカッシブなプレイなど、各メンバーの緊張感溢れるバランス感覚十分なアンサンブルを感じます。3分前後では、まさに副題となっている「The Solid Time Of Change」にふさわしいメロディが存分に盛り込まれたテーマが聴けます。このテーマは当曲「Close to The Edge」で何度か繰り返されるメインのテーマです。

そして、4:00前後からはJon Andersonによる多重コーラスワークによるボーカリゼーションの妙が愉しめるパートで、「Close to The Edge」のコーラスが流れる頃には、いつの間にか当楽曲が長尺な曲であることさえ忘れてしまいそうになりそうです。

8分30秒前後から12分前後までは、Rick Wakemanの白玉を意識したキーボードのフレーズに、時折アクセントでハモンドオルガンの音色が奏でられながらも、プログレッシブ・ロックのバンドとは想像出来ないほどのJon Andersonのコーラス(「I Get Up, I Get Down」)とメンバーによるコーラスワークが聴けます。このコーラスワークはChris SquireがバンドにもたらしたクリエイティブでYESの特徴の1つといっていいもので、まさに副題となっている「I Get Up, I Get Down」にふさわしい雰囲気が充分に感じえます。

14分以降は、Chris Squireの低音でうなるようなベース音、Bill Brufordのハイハットのきめ細やかなタッチ、Rick Wakemanのクラビっぽい音色などで、楽曲はアップテンポへとシフトし、クライマックスへ一気にたたみかけます。それまでに楽曲に散りばめられていた唄メロの断片をJon Andersonは再度唄メロにして歌唱し、17分4秒以降、楽曲冒頭と同様に自然のイメージを感じるSE(小鳥のさえずりなど)が聴こえ、楽曲はクロージングします。

タイトルが意味するネガティブな要素とは裏腹に生命力溢れるサウンドに音楽は活気づく。

2「And You And I」は、曲前半をSteve Howeのアコースティック・ギターのカッティングがリードする楽曲です。3分50秒前後からのメロトロンが奏でる壮大な音のパノラマ感や、6分前後以降のギターのフレーズといい、曲全体のリリカルさが牧歌的な印象を感じさせてくれます。7分前後に響くエレクトリック・ギターのリフがささくれたったイメージだとしても、楽曲のアクセントと思わせてくれるほど、落ち着いた雰囲気の楽曲でリラックスし聴ける、まさに牧歌的なサウンドの側面をもつYesの特徴ある代表曲です。

最終曲3「Siberian Khatru」もSteve Howeのギターが印象的なフレーズの楽曲ですが、2「And You And I」とは異なり、ファンキーなテイストを持つ冒頭部のギター・リフや、アンサンブルを支えるChris SquireとBill Brufordの強固なリズム・セクションの緊張感もさながら、プログレッシブ・ロックとはいわず、通常のロック・フォーマットでも通用するファンキーさとハード性を伴う演奏が素晴らしい楽曲です。この楽曲もYesの代表曲です。

たった1年で、3rdアルバム「Fragile(邦題:こわれもの)」を含め、同アルバムも発表してしまうのだから、当時のYESのメンバーによるクリエイティブ性には凄まじいものがあったと思いますよね。緻密でいて、スキルフルさやテクニカルさもありますが、それでいて自由奔放さや大胆さがあるからこそ、ダイナミックなアルバムの構成です。

以上、約38分で全3曲のアルバムですが、それでも1曲目の「Close To The Edge」も含め、生命力を力強く感じざろうえない素敵なエッセンスが敷き詰められています。

[収録曲]

1.Close To The Edge
– (i)The Solid Time Of Change
– (ii)Total Mass Retain
– (iii)I Get Up, I Get Down
– (iv)Seasons Of A Man
2.And You And I
– (i)Cord Of Life
– (ii)Eclipse
– (iii)The Preacher, The Teacher
– (iv)Apocalypse
3.Siberian Khatru

なお、Simon & Garfunkelの楽曲カバーである「America」や、「Total Mass Retain (Single Edit)」、「Siberia (Studio Run-trough)」をボーナストラックとしている再発版のCDもあります。特に「America」は曲全体をリードするChris Squireのベース音とBill Brufordのドラム音がとても印象的な楽曲です。個人的には、3分前後以降のパーカッシブな演奏に、Bill Brufordらしさが色濃く出ていてとても新鮮ですね。
YESのアルバム云々ではなく、プログレッシブ・ロックという括り抜きにしても、アルバム全体に緊迫感がありながらも、個人的に「最も生命力を強く感じるアルバム」と感じています。YESのファン以外にもおすすめなアルバムなんです。

新しいオーディオシステムを購入する際の目安となる音

過去に何度もマスタリングされたCDが再発されていますが、このアルバムは最初に聴いた頃から空間を感じるほど、音のレンジが拡いので、個人的には、Roxy Musicの「Avalon」、Mickael Jacksonの「Bad」や「Dangerous」、Yesの3rdアルバム「Fragile」なども含め、新しいオーディオシステムを購入する際、オーディオの音の良し悪しを見定める試金石となっています。
音の強弱と拡がりを同時に活かしたミックスのあるアルバムはそれほど多くないと思いますし、こんなに素敵な録音はないと感じています。

アルバム「Close To The Edge」のおすすめ曲

1曲目は冒頭の組曲「Close To The Edge」
少しささくれだった演奏を感じつつも今聴いても古めかしさはない。1970年初頭に作られた曲にも関わらず、生命力を強く感じてしまう。約18分の長尺をものともせず、いつの間にか演奏を聴き入ってしまう。個人的には、少しでも気持ちを漲らせたい時には聴き入ってしまう曲なんですよ。

2曲目は最終曲「Siberian Khatru」
冒頭のスティーブ・ハウのギターに驚かされる。楽曲「Roundabout」や「Heart Of The Sunrise」(アルバム「Fragile」収録曲)と同様にコンパクトでいて、ロックしながらもプログレッシブさを感じるから。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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