海外サイト「Prog Sphere」の「プログレのコンセプトアルバムTOP30」に想う。
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最終更新日:2016/03/06
雑誌やWEBやラジオの特集 alan parsons project, beardfish, Genesis, kayak, Pink Floyd, Porcupine Tree, Rick Wakeman, Roger Waters, Rush, Spock's Beard, YES
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海外サイト「Prog Sphere」は、プログレッシブ・ロック/メタル、ジャズ・フュージュンやサブ・ジャンルに造詣のあるサイトです。バンド/アーティストのインタビュー記事(INTERVIEWS)やレビュー(REVIEWS)などとともに、今回ご紹介する特集(SPECIAL)が取り上げられています。
「プログレのコンセプトアルバムTOP30」に想いを馳せて
これまでにプログレッシブ・ロックでは、多くのコンセプト・アルバムが世の中に出てきました。コンセプト・アルバムは、Wikipediaによれば、音、または歌詞のアイデアが1つのテーマ、か統一されたストーリーであることで、「アルバム全体を一つの作品とし意識を徹底している」とされています。
今回、2014年7月14日に「Prog Sphere」で発表された「プログレのコンセプトアルバムTOP30」には、これまでのコンセプト・アルバムの中から「Prog Sphere」が考えるランキング上位30枚のセレクションであるとのことです。
当レビューはプログレッシブ・ロックを話題(おすすめアルバム、楽曲など)を扱っていますので、そのランキング上位30枚はとても気になるところです。最後には、年代別で考察もしていますので、合わせてご確認いただけると嬉しいです。
(と同時に、当レビューで紹介している「プログレすすめアルバム」へのリンクも「紹介」欄に「★」で追加しています。)
「プログレのコンセプトアルバムTOP30」のアルバム
順位 | アルバム(原題) | 発表年 | アーティスト | 紹介 |
1位 | Days of Future Passed | 1967年 | The Moody Blues | |
2位 | The Lamb Lies Down on Broadway | 1974年 | Genesis | ★ |
3位 | 666 | 1972年 | Aphrodite’s Child | ★ |
4位 | Thick as a Brick | 1972年 | Jethro Tull | ★ |
5位 | The Wall | 1979年 | Pink Floyd | ★ |
6位 | Joe’s Garage Acts I, II, III | 1979年 | Frank Zappa | |
7位 | Tales from Topographic Oceans | 1973年 | Yes | ★ |
8位 | The Power and the Glory | 1974年 | Gentle Giant | |
9位 | The Snow Goose | 1975年 | Camel | |
10位 | 2112 | 1976年 | Rush | |
11位 | Amused to Death | 1992年 | Roger Waters | |
12位 | Red Queen to Gryphon Tree | 1974年 | Gryphon | |
13位 | K.A. | 2004年 | Magma | |
14位 | Spartacus | 1975年 | Triumvirat | |
15位 | Tales of Mystery and Imagination | 1976年 | Alan Parsons Project | |
16位 | BE | 2004年 | Pain of Salvation | |
17位 | Songs of Distant Earth | 1994年 | Mike Oldfield | |
18位 | De-Loused in the Comatorium | 2003年 | The Mars Volta | |
19位 | Misplaced Childhood | 1985年 | Marillion | |
20位 | Darwin! | 1972年 | Banco del Mutuo Soccorso | |
21位 | Sleeping in Traffic Part 1, Part 2 | 2007年 | Beardfish | |
22位 | Journey to the Centre of the Earth | 1974年 | Rick Wakeman | |
23位 | Visions | 2011年 | Haken | |
24位 | Merlin-Bard of the Unseen | 2003年 | Kayak | |
25位 | Eldorado | 2004年 | Electric Light Orchestra | |
26位 | Snow | 2002年 | Spock’s Beard | |
27位 | Fear of a Blank Planet | 2007年 | Porcupine Tree | |
28位 | Felona e Sorona | 1973年 | Le Orme | |
29位 | Sola Scriptura | 2007年 | Neal Morse | |
30位 | Posthumous Silence | 2006年 | Sylvan |
Prog Sphereの掲載ページは下記ご確認下さい。
http://www.prog-sphere.com/specials/top-30-progressive-rock-concept-albums-prog-sphere/
考察
アルバムの発表年が、1960年代が1枚、1970年代が15枚、1980年代が1枚、1990年代が2枚、2000年代が10枚、2010年代が1枚との結果でした。
年代別にランキング上位に入ったアルバムには、プログレッシブ・ロックが拡大しつつあった1960年代末期や、2015年現在から考えた2010年代のアルバム枚数が少ないことが想像されますし、プログレッシブ・ロックが隆盛期であった1970年代が最も多く15枚もランキングされていることにはうなずけます。
驚いたことは2つです。
1つ目は、2000年代のアルバムが10枚もランキングされていたことです。一方的ですが、プログレッシブ・ロックのアルバムのうち、コンセプト・アルバムのみに絞った前提で、1970年代と2000年代でバンド/ミュージシャンの出身国を比較してみると、1970年代はイギリス中心で、2000年代は、よりワールドワイドに拡がっていると感じました。
2つ目は、1980年代と1990年代のアルバムが少ない点です。もちろん、1980年代と1990年代のコンセプト・アルバムが他年代と比べても少なかったというわけはないのでしょう。Marillionが1985年に発表したアルバム「Misplaced Childhood」と、Roger Watersが1992年に発表したアルバム「Amused to Death」と、Mike Oldfieldが1994年に発表したアルバム「Songs of Distant Earth」の3枚は印象深く感じてしまうんです。
さらに追及すれば、ミュージシャン単体よりも、バンドとしてのMarillionのアルバム「Misplaced Childhood」が気になります。どれほどにリーダー色が濃厚でおしすすめてコンセプト・アルバム化しようとしても、1つのバンドとしてメンバー全員に関わるアルバムであり、他年代を含めて、唯一1980年代から選ばれた存在として、今後も強く意識をして聴いてしまうアルバムになりそうです。
そんなプログレな気持ち。みなさんはいかがですか?
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