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プログレおすすめ:Laozi「Lunatica」(2013年ジョージア)

公開日: : 最終更新日:2017/09/18 2010年‐2013年, エレクトロニック, ジョージア


Laozi-「Lunatica」

第255回目おすすめアルバムは、ジョージアのプログレッシブ・ロックバンド:Laoziが2013年に発表した7thアルバム「Lunatica」をご紹介します。
Laozi「Lunatica」

Laoziは、ジョージアの地で、2006年に、若干16歳のSandro Tskitishvili(エレクトロニクス)が活動を開始したソロ・プロジェクトです。

当プロジェクトは、人間も天地自然に沿い明るく楽しくこだわりのない人生を過ごすことが本来の姿であるという中国で生まれた思想:タオイズムに影響を受け、その基本となる「老子道徳経」を書いた中国の春秋時代の思想家:老子(Laozi)にちなみ、命名されています。Sandro Tskitishviliは、13歳からギターを片手に制作していた楽曲らをエレクトロニクスでリアレンジし、2007年には、その膨大なマテリアルを3枚のアルバム(「Flowers For Nina」、「When The Meanings Alter」、「Floating Flame」)として余りある才能を表現するかのように発表しています。

続く2008年のアルバム「Saturnian Tides」では、デビュー前のマテリアルにはない即興さや複雑さに溢れる音楽を披露していますが、叙情さやメロディックさを、よりコスミックでスペース系が感じられるアンサンブルで聴かせるスタイルは、プログレッシブ・ロックでもエレクトロニック系のエッセンスに括られると思います。

当アルバム「Lunatica」は、2010年発表の5thアルバム「V」と2011年発表の6thアルバム「Somewhere Up」に続き、クラシックとロックとの融合となるネオ・クラシカルや、プログレッシブ・ロックから派生したニュー・エイジ、アンビエントなど様々なアプローチを高めた1枚で、

エレクトロニックさにも哀愁さ溢れるメロディが活きたアルバムです。

ふと日本のミュージシャン:喜太郎を想起してしまうほどに、どことなく和を感じてしまうオリエンタルなムードも讃えたアンビエントさにメロディックさもあるインストルメンタルに身を委ねてみませんか?

楽曲について

Sandro Tskitishviliのエレクトロニクスによるサウンド構築がメインにも、Zozimo Rech(ムーグ)とDave Long(ギター)をアンサンブルに加えた冒頭曲1「Set Me Free At Midnight」では、ムーグ・シンセにギターが高らかにテーマが奏で幕を開けます。2分39秒前後から加わるエレクトロニックによるポリリズムなパーカッシブさとムーグ・シンセさサイザーによるテーマ、さらに4分前後からはギターもテーマを奏で、その交互に繰り返されるテーマに続き、5分30秒前後からはシンセサイザーがよりいっそうコスミックさを醸し出し、そのまま穏やかなサウンドへ移行しクロージングを迎えます。まるで、月の神秘さを表現してるかのようでいて、西洋とアジアをも想起させるテーマが重なり合い、後半部ではコスミックさに包まれていく、神秘さから幻想さへとサウンドが堪能出来ます。

フルート、ヴァイオリン、木琴とおぼしき音色による哀感漂うバロック調の2「23」に続き、Mike Oldfieldのアルバム「The Songs Of Distant Earth」や5大プログレバンド:Yesの元キーボード奏者:Rick Wakemanのニュー・エイジ期のアルバムのサウンド感を想起させる3「Radiation」では、怪奇映画のサウンドトラックをサウンドスケープしてしまうかのような前半部に、3分15秒前後からのピアノの音色が加わったサウンド感には日本の姫神を彷彿とさせてくれます。そして、徐々にサウンドはコスミックさや神秘さへと包まれ、力強いパーカッシブさのシークエンスがフェードアウトしつつも、シンセサイザーによるノイジーさが印象的に漂いクロージングを迎えます。

4「Lightwalk」は、冒頭部の2「23」と同様に琴とフルートとおぼしき音色によるメロディックなテーマで幕を上げるアンサンブル、1分前後からのフルートによる旋律でのニュー・エイジさ、2分25秒前後からのカウンター・メロディを活かした複数のメロディラインが積み重なるコンテンポラリーさなど、ネオ・クラシカルさも感じさせ、フックとなるメロディラインが活きた哀愁溢れるアンサンブルを堪能出来ます。

最終曲5「Lunatica Suite」は、終始、水や風のせせらぎを想起させるSEとともに展開する約13分の大作です。ピアノとシンセが哀愁溢れる旋律を奏で幕を上げる冒頭部、3分20秒前後からのヴィブラフォンによる音の断片、5分15秒前後からのピアノによるクラシカルな旋律に、徐々にシンセサイザー、フルート、ヴィブラフォンなどの煌びやかでミスティックなサウンドは拡がってきます。10分30秒前後からのヴィブラフォンによる不穏さを醸し出すパートを挟み、11分前後には、クラシカル・ギターの音色をアンサンブルに、クワイアが入り讃美歌を想起させ、ヴァイオリンの旋律など、ネオ・クラシカル系のアンサンブルと共にクロージングを迎えます。

アルバム全篇、ニュー・エイジ系、フュージュン系、アンビエント系、ネオ・クラシカル系などのエッセンスを交え、「月」を想起させるコスミックさ、ミスティックさ、ミステリアスさを表現しつつも、フックとなる哀愁溢れるメロディックさもあるため、心にふと問いかけてくるようなアンビエントさが堪らないです。

[収録曲]

1. Set Me Free At Midnight
2. 23
3. Radiation
4. Lightwalk
5. Lunatica Suite

ドイツのTangerine Dream、イギリスのMike Oldfiled、ギリシャのVangelisなどのシンセサイザーも含むインストルメンタルをメインとしたプログレッシブ・ロックが好きな方におすすめです。

また、ニュー・エイジ系、フュージュン系、アンビエント系、ネオ・クラシカル系などをキーワードに気になる方にもおすすめです。個人的には、日本の喜太郎、姫神を想起してしまうため、そのサウンドが好きな方にもおすすめです。

アルバム「Lunatica」のおすすめ曲

1曲目は、4「Lightwalk」
ネオ・クラシカルさにも通じる、どこまでも哀愁に溢れつづくアンサンブルがたまりません。

2曲目は、5「Lunatica Suite」
コスミックさ、ミスティックさ、ミステリアスさなど、「月」を表現するかのようなサウンドです。水や風のせせらぎを想起させるSE(もしくはシンセサイザーの波)が楽曲前半から印象的に響いているのですが、楽曲後半部のネオ・クラシカル系のアンサンブルにクワイアが加わり讃美歌風のパートへ辿りついた時、その印象すら忘れてしまいそうになります。そして、再度、そのSEが聴こえれば、この長尺の楽曲にただただ聴き入っていたことに気付くんです。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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