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プログレおすすめ:Curved Air「Live」(1975年イギリス)


Curved Air -「Live」

第63回目おすすめアルバムは、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド:Curved Airが1975年に発表したライブアルバム「Live」をご紹介します。
Curved Air「Live」
オリジナルメンバーで1974年12月に行ったライブの熱気溢れパワフルな演奏が聴けます。

と云っても、アルバムごとにベーシストを変わるものの、デビュー後、1970年発表の1stアルバム「Airconditiong」から1973年発表の3rdアルバム「Phantasmagori」まで、Sonja Kristina(ボーカル)、Darryl Way(ヴァイオリン)、Francis Monkman(キーボード)、Florian Pilkington-Miksa(ドラム)の4人はバンドでは不動のメンバーでしたが、1973年に発表された4thアルバム「Air Cut」は、Sonja Kristinai以外は脱退し、あらたにヴァイオリン奏者:Eddie Jobsonらを迎え、制作されていました。

さらに、当ライブアルバムの翌年1975年に発表された5thアルバム「Midnight Wire」では、Sonja KristinaiとDarryl Wayは残るものの、またメンバーが変わっています。

当時のメンバーの諸事情による再結成ライブツアーと云われるていますが、Curved Air1970年代黄金期の不動4人のメンバーが集う1970年代唯一の貴重な公式ライブアルバムなんです。スタジオ音源では、張りのある艶かかった色気を感じる女性ボーカル:Sonja Kristinaの声質が、当ライブ音源では、ライブ当日の体調のせいか、ドスを聴き過ぎた荒々しさ溢れていることを除けば、

・・・ハードロックなタッチの迫力あるアンサンブル・・・

・・・シンセサイザーによるマジカルなサウンド・メイキングとDarryl Wayによるヴァイオリンの旋律・・・

・・・ライブならではのサイケデリックかかったアートロック寄りのインプロビゼーション・・・

が聴けるため、1970年代のヴァイオリン奏者を擁するプログレッシブ・バンドのインプレゼーションも存分なライブ音源として、重要なアルバムなのです。

楽曲について

ライブ音源は、1つのライブをセットリスト通り、順を追って収録されたものではなく、1974年12月のイギリス国内ツアーのある2日分からピックアップされています。

前半部の1「It Happened Today」、2「Marie Antoinette」、3「Back Street Luv」は、不動4人のメンバーによる3枚のスタジオアルバム(1stアルバムから3rdアルバム)の冒頭を飾る、もしくはシングル・カットされた楽曲で、4曲目以降は、3枚のスタジオアルバムのハイライトとされる楽曲がリストアップされています。

いずれの楽曲も、先に触れたとおり、Sonja Kristinaiの声質は荒々しく、音源中の他バランスに対し歪みかかってしまっています。いっぽうで、その声質に応えるかのようにギター、ベース、ドラムの各プレイは、スタジオ音源よりもハードなアプローチで聴かせてくれますが、4曲目以降の楽曲は、スタジオ音源よりもインストルメンタルのパートでのインプレゼーションが圧巻です。

4「Propositions」は、ディレイによるエフェクト処理されたギターサウンドのアンサンブルがスタジオ音源では印象深いです。いっぽう当ライブ音源では、よりタイトでファーストタッチなリズムに、ヴァイオリンは、時にボーカルと時にギターとユニゾンでプレイし、インストルメンタルのギターとヴァイオリンによるユニゾン気味の延々と続くだろう渦巻くインプロビゼーションには、煌びやかなシンセの旋律とともに、サイケデリック/スペース系のエッセンスをたっぷりと愉しめます。

5「Young Mother」は、スタジオ音源ではインストルメンタルのパートが、シンセサイザーとエレクトリック・ピアノがメインにリズムチェンジを重ねるダンサンブルなアンサンブルに、煌びやかなエレクトロニックな音色が浮遊し、ヴァイオリンの流麗な旋律が聴ける楽曲です。個人的には、サイケデリックなのかアートロックなのか、この近未来的なサウンド・メイキングとアクテビティによるCurved Airらしさ溢れるアンサンブルが好きなんです。当ライブ音源では、ヴァイオリンのプレイを際立ちながらも、スタジオ音源以上にインプレゼーションが炸裂するアンサンブルが愉しめます。シンセサイザーとヴァイオリン、オルガンのプレイに耳を奪われがちですが、5分前後などベース・ギターが印象的なプレイを聴かせてくれます。

6「Vivaldi」は、個人的に、そのスタジオ音源は、バロックをベースとし、胸を掻き毟られるほどに刹那さ溢れる旋律とノイジーなサウンドを誘発させるヴァイオリンのプレイが聴けるCurved Airの名演と思ってます。ライブ音源では、舞踊をサウンドスケープさせる陽気な旋律を挟み、ノイジーなパートでのSonja Kristinaiによる荒々しいボーカリゼーション、エレクトロニックのミニマルな音など、スタジオ音源のイメージにプラスし、混沌としたプログレッシブな展開が愉しめます。

7「Everdance」は、スタジオ音源では、ファーストタッチでヴァイオリンとエレクトリックピアノがテクニカルなフレーズでユニゾンするアンサンブルに、フェードアウトする楽曲です。当ライブ音源では、Sonja Kristinaiの咆哮と荒々しいシャウトでの唄メロやヴァースのヴァイオリンのプレイにはスタジオ音源の面影はあるものの、ヴァイオリンとシンセサイザーを含めたインプロビゼーションには、ヴァイオリンによる楽曲「Vivaldi」のメロディラインを盛り込み、当ライブアルバムの最終曲として配置するに相応しいクロージングです。

最後の歓声を聴けば、当時のライブにリアルで体感したかったと思わずにいられません。

[収録曲]

1. It Happened Today
2. Marie Antoinette
3. Back Street Luv
4. Propositions
5. Young Mother
6. Vivaldi
7. Everdance

個人的に、1973年発表の4thアルバム「Air Cut」までの全てのアルバムが好きです。個人的に外せないアルバムや楽曲が多いため、Curved Airを知るべくどのアルバムからおすすめしたらいいかと考えてみましたが、1stアルバムから3rdアルバムまでの選曲にて、ライブ盤ならではの迫力ある演奏が楽しめると云う点も考え、あえてこのアルバムを選んでみました。

このライブアルバム「Live」の各収録曲のスタジオアルバムは下記のとおりです。
1stアルバム「Airconditioning」の収録曲
1. It Happened Today
4. Propositions
6. Vivaldi

2ndアルバム「Second Album」の収録曲
5. Young Mother
3. Back Street Luv
7. Everdance

3rdアルバム「Phantasmagoria」の収録曲
2. Marie Antoinette

このアルバムを聴き、Curved Airのヴァイオリンを含めたアンサンブルを好きになった方は、ぜひスタジオアルバムを聴くこともおすすめします。

スタジオ音源では、本来の張りのある艶かかった色気を感じる女性ボーカル:Sonja Kristinaの声質と、ライブならではのドライブ感よりもエレクトリック性に比重があるサウンド・メイキングされた楽曲を堪能出来ると思います。

アルバム「Live」のおすすめ曲

1曲目は5曲目「Young Mother」
スタジオ音源の原曲に、1970年代初頭のサイケデリック/スペース系、アートロック系、フォーク系での近未来的なカタチとクールさを感じ好きなのですが、ライブならではのハードなプレイとプログレッシブな展開が愉しめます。

2曲目は4曲目「Propositions」
スタジオ音源でのディレイを効かせたアプローチと比較し、ライブならではのアートロック寄りのサイケデリック/スペース系なアンサンブルによるインプロビゼーションが圧巻です。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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