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プログレおすすめ:Regent「Illusions」(2016年イギリス)

公開日: : 最終更新日:2016/03/25 2016年, イギリス, エクレクティック[折衷派]


Regent -「Illusions」

第263回目おすすめアルバムは、イギリスのプログレッシブ・ロックのユニット:Regentが2016年1月29日に発表した1stアルバム「Illusions」をご紹介します。
Regent「Illusions」
Regentは、イギリスはノース・イースト出身のMartin CollinsとJonathan Youdaleの2人のギタリストを中心に結成されたユニットです。

Jonathan Youdaleが歌詞に助言をするスタイルで、Jonathan Youdaleが楽曲の骨子を制作したデモに基づき、ボーカル、ベース、アルト・サックス、テナー・サックスなどのセッション・ミュージシャンを迎え制作された当アルバムには、1960年代のサイケデリック/スペース系や1970年代初期の古き良きプログレッシブ・ロックのエッセンスも感じられます。

アルバム発売のプレスリリースに於いて、同国の5大プログレバンドの1つ:Pink Floyd、Mike Oldfield、The Who(とりわけ、Tommy)の音楽性の影響を受けてオマージュに溢れたアルバムと紹介もされていました。彼らが音楽的に影響を受けたアーティストには、King CrimsonやYesをはじめとし、同国イギリスでは、David BowieやThe Doors、The Mars Volta、Santanaらアメリカのミュージシャンもあげられ、1970年代と現代のプログレッシブ指向が散りばめられた音楽性は、

古き良きオマージュだけに留まらず、めくるめく幅広い音楽性に溢れたアルバムです。

楽曲について

冒頭曲1「Somnambulists」は、女性ボーカルのスキャットを交えつつ初期Pink Floyd(1960年代の1stアルバムや2ndアルバムの世界観)の影響を感じさせるギターとリズムセクションによるサイケデリックなサウンド・メイキングで幕を上げ、1分30秒前後からのメロトロン・シンセによる渦巻くパートからは、たとえば、King Crimsonの楽曲「Epitaph」などの叙情さを感じさせてくれます。2分前後に、アコースティック・ギターによる穏やかにもフォーク・スタイルのパートを挟み、2分50秒前後からはメロトロン・シンセやピアノが加わることで、叙情的なプログレ・フォーク系のアンサンブルに、唄い上げるヴァースは、叙情さが一層際立ち、琴線に触れていきますね。4分50秒前後に再度、メロトロン・シンセによるパートを挟んでリズムチェンジとともに、オペラチックなヴァースへとドラマチックに展開するさまは、ボーカリゼーションも含め、それまでの1970年代的なプログレッシブな展開を忘れてしまうぐらいに、Mars Voltaを彷彿とさせてくれます。

渦巻くSEから尊厳なコーラスワークで幕を上げる2「Escapism」は、ボーカリゼーション、ギターのプレイ、サックスのソロ、ベースとドラムのリズムセクションなど楽曲の骨子には、Pink Floydの名曲「The Great Gig in the Sky」(アルバム「Dark Side Of The Moon」収録)を想起させてくれます。ただそれも、5分40秒前後のエレクトリック・ピアノ、メロトロン・シンセ、フルートによる旋律のパートを挟み展開される6分30秒前後からは、ピアノもドラマチックに華を添え、モダンでいてアダルト・オリエンテッドなサウンドを漂わせたスキャットを聴かせてくれます。

3「The Silver Moon」は、1960年代の英国ビートロック系のバンドがアートロック指向へと展開した過渡期のサウンド・メイキングやアンサンブルを想起させてくれる楽曲です。2分40秒前後から3分10秒前後の転調によるヴァースのパートでさえアクセントに、クリーントーンのギターによるアルペジオのプレイ、オルガンの音色、コーラスワークなども含め、1990年代に活躍したイギリスのロックバンド:Kula Shakerのアルバム「Strangefolk」期も脳裏を掠めてしまいました。

4「Three Minutes to Midnight」は、ジャズ系のエッセンスも感じさせるエッジの効いたギターがメインのアンサンブルが印象的な楽曲です。2分25秒前後から3分45秒前後までのSEとオルガンが渦巻くサイケデリックさのあるパートやサックスを交えたエモーショナルなヴァースのパートを挟みつつも、ジャズ系のリズム・セクション、エッジの効いたフレーズ、フレーズのリフレイン、サックスのプレイなど、King Crimsonの名曲「Pictures Of A City」や楽曲「21st Century Schizoid Man」などを想起せずにはいれません。

最終曲5「Horizons」は、前半部に於いて、サイケデリックなサウンド・メイキングにも、ブルーズをベースにしたPink Floydの楽曲スタイルを想起させてくれます。とりわけ、2分前後からのDavid Gilmourを彷彿とさせるギター・ソロには明らかにそのオマージュを感じられますが、2分55秒前後のサックス・ソロを挟み、3分50秒前後からはアコースティック・ギターをアンサンブルに女性ボーカルによるスキャットのパートで楽曲がクロージングする展開に、バンドとしてのクリエイティブを感じずにいられません。

アルバム全篇、1970年代初期のアーティストに対してのオマージュだけでなく、The Mars Voltaを代表するモダンなプログレッシブな指向と、アダルト・オリエンテッドさなど他ジャンルをクロスオーヴァーさせるなど、楽曲展開にバンド独自のクリエイティブを感じるアルバムです。惜しむらくは、アルバム収録の全楽曲のトータルタイムは約30分のため、もっと尺の長いアルバムとして聴きたかった。いや、それもこれも次作2ndアルバムへ期待してしまいますね。

[収録曲]

1. Somnambulists
2. Escapism
3. The Silver Moon
4. Three Minutes To Midnight
5. Horizons

1960年代や1970年代のプログレッシブ・ロックを取り巻く音楽性に留まらず、先入観もなくプログレッシブ・ロックの多種多様なアプローチを聴く方におすすめです。

同様に1970年代のアーティストをオマージュし、モダンな音楽性も取り入れたプログレッシブなロックを指向するバンドとして、同国イギリスのThe Tangentや、アメリカのEdensongを聴く方にもおすすめです。

アルバム「Illusions」のおすすめ曲

1曲目は、冒頭曲1「Somnambulists」
楽曲前半部は、過去のプログレッシブ・ロックを取り巻く音楽性のオマージュを考えては聴き入っていましたが、楽曲後半部で魅せるモダンなアプローチを聴くことで、バンドのクリエイティブが心に留まりました。そして、アルバム全篇を聴き終え、最終曲5「Horizons」のクロージング直前の女性ボーカルによるスキャットを聴いたことを記憶に留めたまま、再度、当楽曲を聴いた時に、1分前後から数秒展開される女性ボーカルの存在が、はじめて聴いた時よりも強く感じさせてくれます。

2曲目は、3「The Silver Moon」
他楽曲に、5大プログレバンドのPink FloydやKing Crimsonのオマージュが感じられるものの、当楽曲は異なるオマージュを感じさせてくれます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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