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プログレおすすめ:21st Century Schizoid Band「Official Bootleg Volume One」(2002年イギリス)


21st Century Schizoid Band -「Official Bootleg Volume One」

第208回目おすすめアルバムは、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド:21st Century Schizoid Bandが、2002年にスタジオ・ライブで制作したアルバム「Official Bootleg Volume One」をご紹介します。
21st Century Schizoid Band「Official Bootleg Volume One」
21st Century Schizoid Bandは、King Crimsonの1stアルバム「In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿)」を発表後に脱退したIan McDonaldとMickael Gilesの二人が、1970年代初期のKing Crimsonの音楽を再現しようとした結成したバンドです。

第1期King Crimsonを彩った、Mel Colins(サックス、フルート、キーボード)、Peter Giles(ベース)、Ian McDonald(キーボード、フルート、サックス)、Mickael Giles(ドラム、パーカッション)による4人が集結し、さらに、Mickael Gilesの娘と結婚したJakko M Jakszyk(ギター兼ボーカル)がメンバーに加わります。

当アルバムは、その第1期King Crimsonのアルバムのうち3枚(1969年発表の1stアルバム「In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿)」、1970年発表の2ndアルバム「In The Wake Of Poseidon(邦題:ポセイドンのめざめ)」、1971年発表の4thアルバム「Islands」)からの選曲と楽曲「A Man and a City」(2ndアルバム「In The Wake Of Poseidon」収録の楽曲「Picture Of A City」)が選ばれ、2002年にスタジオでライブ・レコーディングしたアルバムです。

2002年11月に日本公演したKing Crimsonの楽曲のうち、名曲「Epitaph(邦題:エピタフ(墓碑銘)」を除く7曲を聴くことが出来ることから、2002年当時、バンドがライブに臨むスタジオ・テイク集と考えられる1枚です。

楽曲について

まずは、第1期King Crimsonに所属していなかったメンバーとして、2015年現在のKing CrimsonのボーカルでもあるJakko M Jakszykの声質は、特に、1stアルバムの収録楽曲であった3曲(3「In the Court of the Crimson King」、6「I Talk to the Wind」、7「21st Century Schizoid Man」)でのGrek Lakeと比較されるだろうと思うのですが、個人的に、Jakko M Jakszykの声質には、トーンを抑え気味の時の高音や低音にはGrek Lakeを彷彿とさせてくれます。いっぽうで、抑制を効かせないJakko M Jakszykの高音のボーカリゼーションには、どことくなく第2期King CrimsonのJohn Wetton(ボーカル)の憂いを帯びたボーカリゼーションに近い印象があります。

楽曲は、全体的にはオリジナル音源に忠実さのある構成ですが、特に興味深いのは、クロージング直前でのファンキーさあるアンサンブルが聴ける4「Formentara Lady」、楽曲「Picture Of A City」ではなく原曲を採用した1「A Man and a City」、モダンな感覚もある2「Catfood」、オリジナル音源よりも抑制されたコーラスワークの妙が光る3「In the Court of the Crimson King」でしょうか。

個人的には、当メンバーで大好きな3rdアルバム「Lizard」収録楽曲のスタジオ・レコデーィングや当時のライブ音源で聴いてみかったと思ってしまいますが、約30年の時を経て2002年に、第1期King Crimsonのメンバーらによる貴重な音源のアルバムと思います。

[収録曲]

1. A Man a City
2. Catfood
3. In the Court of the Crimson King
4. Formentara Lady
5. Ladies of the Road
6. I Talk to the Wind
7. 21st Century Schizoid Man

当アルバム「Official Bootleg Volume One」の各収録曲のオリジナル音源のアルバムは下記のとおりです。
1stアルバム「In The Court Of Crimson King」の収録曲
3. In the Court of the Crimson King
6. I Talk to the Wind
7. 21st Century Schizoid Man

2ndアルバム「In The Wake Of Poseidon」の収録曲
2. Catfood

4thアルバム「Islands」の収録曲
4. Formentara Lady
5. Ladies of the Road

+1. A Man a City(※楽曲「Picture Of A City」の原曲)

オリジナル音源と比べれば、真新しすぎるサウンド・メイキングなどは見受けられませんが、クラシカルさ、ヘビーさ、ジャズ系のエッセンスに、叙情さや混沌さがある第1期King Crimsonが好きな方におすすめです。

「Official Bootleg Volume One」のおすすめ曲

1曲目は最終曲7「21st Century Schizoid Man」
オリジナル音源の原曲のもつ熱やエネルギーをあらためて体現出来る素晴らしいテイクと思います。

2曲目は「Formentara Lady」
クロージング直前でのファンキーなアンサンブルは、オリジナル音源と比べても素敵な構成と思います。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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