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プログレおすすめ:Anima Mundi「The Way」(2010年キューバ)

公開日: : 最終更新日:2015/12/02 2010年‐2013年, キューバ, シンフォニック


Anima Mundi -「The Way」

第16回目おすすめアルバムは、キューバのシンフォニック系のプログレッシブ・ロックバンド:Anima Mundiが2010年に発表した3rdアルバム「The Way」をご紹介します。

Anima Mundi「The Way」

Anima Mundiは、2002年に1stアルバム「Septentrion」を発表でデビューした、Roberto Díaz(ボーカル、ギター)がメインのバンドです。

当アルバム「The Way」は、Virginia Peraza(キーボード)、Yaroski Corredera(ベース)、Manuel Govin(ドラム)、Carlos Sosa(ボーカル)も含め、5人編成で制作されています。2000年代や2010年代で耳にする他シンフォニック系のエッセンスを感じさせてくれるバンドをも凌駕するダイナミックな展開力があるアンサンブルに驚きました。収録曲は4曲のみですが、いずれの楽曲も最低8分以上もあり聴きごたえがあります。メロディアスで抒情性に富む全4曲を聴き終わる頃には、その展開力に心酔していました。規制観念を覆され、ワールドワイドにプログレを聴いていたと思ってても、

本当の意味でワールドワイドに聴いていなかったと思い知らされ、ワールドワイドとは地球上の全ての国を指す
と、あらためて実感したアルバムです。

楽曲について

冒頭曲1「Time to Understand」は、不穏な旋律を奏でるキーボードによるオーケストレーションとギターのアンサンブルで幕を上げる楽曲です。ギターのフレーズには、イギリスの5大プログレバンドのうちの1つ:Yesの8thアルバム「Drama」の冒頭曲1「Machine Messiah」を想起してしまいますし、4分10秒以降の唄メロのメロディアスなパートには、アメリカのプログレハード系のロックバンド:Bostonの3rdアルバムの冒頭曲1「Amanda」のブリッジ部も想起してしまいました。男性ボーカルは伸びやかなトーンとヴァースでの深く沈み込んだボーカリゼーションを使い分け、その印象と同様に躍動感あるアルバムのはじまりに相応しいですね。6分前後からはリズムチェンジし、変拍子を多用したテクニカルなパート、8分前後からはアコースティックギターとSEによるパートが流れ、緩やかなテンポから最初のテーマを唄う男性ボーカルに続いて、4分10秒以降の唄メロのメロディアスなパートが再度繰り返されます。そして、10分30秒前後からは、楽曲のメロディアスなパートを拡げ、よりスケールを感じさせるメロディアスなギター・ソロが印象的に奏でられ、楽曲はクロージングしていきます。

続く2「Spring Knocks on the Door of Men」、3「Flying to the Sun」、4「Cosmic Man」も、冒頭曲1と同様に、不穏さをイメージするパートからメロディアスなパートへダイナミックに移行する展開もあれば、繊細さもある抒情さから刺々しさのあるフレーズへの展開もあります。ギター、ベース、シンセによるアンサンブルはオーケストラが奏でるイメージと同様に幾重も演奏が上積み重なっていく様相が印象的なのですが、管弦楽器やオーケストラをゲストに迎えずに、ここまでのサウンドを構築するクリエイティビティは素晴らしいの一言です。

アルバム全篇、YESのアルバムでは、5thアルバム「Tales From Topgraphic Oceans(邦題:海洋地形学の物語)」や6thアルバム「Relayer(リレイヤー)」よりも、4thアルバム「Close To The Edge(邦題:危機)」です。攻撃的なフレーズがありながらも、それ以上にメロディアスで抒情性に富んだ奥行きのあるサウンドスケープや展開力を魅せてくれます。いちどアルバム全篇を聴き、2回目以降に聴く時には、曲の終わりからリバースし各パートや各テーマへの展開を逆算で紐解くように聴いてみると、1曲1曲のクオリティやクリエイティビティの高さを感じる1枚と思います。

[収録曲]

1.Time to Understand
2.Spring Knocks on the Door of Men
3.Flying to the Sun
4.Cosmic Man

1枚のアルバムを通じ、構成力のあるシンフォニック系のプログレッシブ・ロックのアルバムです。YESの4thアルバム「Close To The Edge(邦題:危機)」の表題曲の展開力を好きな方には、ぜひアルバム全篇を通じおすすめしたいです。

ところで、日本では発売時に「仏のイエス」とうたわれたフランスのテクニカルなプログレッシブ・バンド:Atollの3rdアルバム「L’araignee0mal」は個人的にフュージョンっぽさで攻撃的さのあるYESに近い方向性のアルバムと感じています。Atollの3rdアルバム「L’araignee0mal」とは異なるYESにも通じる世界観とも想像頂ければと思います。

当アルバムを聴いたみなさまはいかがでしたでしょうか?

展開力のあるシンフォニック系

最終的にはアルバム全体で一貫性を感じる展開力を魅せてくれるバンドもあれば、1曲1曲で目まぐるしく展開力を魅せてくれるバンドもあります。どちらのバンドにも共通しているのは、豊富なテーマ(モチーフ)や展開力を表現するための演奏力や技術力があることで、シンフォニック系はプログレでは冗長すぎて、聴くには受け付けないという知り合いもいたりします。自分には、これだけのサウンドスケープを魅せてくれるジャンルの1つをこれからも大切に聴いていきたいですね。

アルバム「Si On Avait Beson D’une Cinquieme Saison」のおすすめ曲

1曲目は、冒頭1曲目の「Time to Understand」

4分10秒前後と8分前後に押し寄せるそれぞれのメロディアスでいて、大きな展開力に圧倒されてしまうんです。また、楽曲冒頭部から無理なく各パートやテーマに繋がりをもたせていると感じます。特に、YESを彷彿とさせる8分前後のパートには、シンセだけでなく、サスティーンの効かせたギター、そして、ベースのフレーズで一気にクライマックスに向けて昇り詰めていく展開が素晴らしいですね。

2曲目は、2曲目の「Spring Knocks on the Door of Men」

冒頭1曲目よりも曲の印象がきめ細やかでいて、長尺約27分を無駄なく聴かせてくれるからです。前半部の展開は、1曲目の冒頭とは異なりますが、やはり1曲目と同様にクライマックスに向け、昇りつめていく展開力が準備されています。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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Comment

  1. りーまん より:

    先日、キューバでAnimaMundi リーダーのRobertoと会いました。非常に音楽に造詣の深い、素晴らしい人でした。今、新譜の準備中だそうです。

    来日を強く望んでいました。サポートして実現にこぎつけたいと思っています

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