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プログレおすすめ:M-Opus「1975 Triptych」(2015年アイルランド)

公開日: : 最終更新日:2016/01/10 2015年, アイルランド, シンフォニック


M-Opus -「1975-Triptych」

第248回目おすすめアルバムは、アイルランドのシンフォニック系のプログレッシブ・ロックバンド:M-Opusが2015年2月2日に発表した1stアルバム「1975 Triptych」をご紹介します。

M-Opus「1975 Triptych」

2015年なのに、1975年に発表?!

M-Opusは、2014年に、アイルランドは、ダブリンの地で、Jonathan Casey(キーボード、ベース、ギター、ボーカル)とColin Sullivan(ギター、ボーカル)の2人を中心に結成したバンドです。

そして、バンドの音楽には、面白いコンセプトがあるんです。2014年に結成されたバンドにも限らず、発表するアルバムの年を架空立てて発表している点です。2015年に発表された当アルバム「1975 Triptych」は、デビュー・アルバムであるため、この1枚しか情報はありませんが、少なくとも「1975年に発表」とフィクション仕立てています。バンドは、今後も、1960年以降、いずれの年にフィクションを置くことを宣言しているし、公式サイトでは、次回作は「1978年に発表」・・・としています。

・・・実に興味深い・・・発想!・・・。

そのバンドのリーダーとも云えるJonathan Caseyは、Arch Stantonと云う名で、元King Crimsonのヴァイオリン奏者:David CROSSのリーダーズバンド:the David CROSS Bandの一員としてアルバム制作に関わり、King Crimsonの名曲「Starless」などを歌唱、その後も、TV、映像、世界規模でのオーケストラの作曲家として活躍し、2012年には、David Bowie、Radiohead、Peter Gabrielをリスペクトし想起させるソロ・アルバム「The Opening Night」を発表しています。

その音楽の特徴は、オリジナル曲のみならず、カバーなどのバンドで15年もプレイし続けてきた周知のColin Sullivanとともに、Genesis、Pink Floyd、Rush、King Crimson、Yesをリスペクトしていることからも、1970年代のイギリスを中心としたプログレッシブ・ロックへの想いを綴っていることが伺えます。

当アルバム「1975-Triptych」は、2015年2月に発売されたバンドとしてのデビューアルバムであり、Mark Grist(ドラム)、Aran O’Malley(ドラム)、Oisin O’Malley(ベース)らに、ニューヨーク・メトロポリタンを拠点に活躍するGreenwich Village Orchesrtaを迎え制作されています。1970年代のプログレッシブ・ロックシーンでも、

1975年のプログレ愛が詰まったファンタジックなサウンドが聴けるアルバムです。

楽曲について

冒頭曲1「Travelling Man」は、メタリックなギターのリフで幕を上げ、4ビートのリズムに導かれ、シンセサイザーやギターのアンサンブルのアンサンブルが躍動的な楽曲です。つい口ずさみたくなるような「Travelling Man」なども含め、5大プログレバンドでいえば、GenesisやYesのメロウでファンタジックなサウンド・メイキングで聴かせてくれます。

2分50秒前後からのシンセサイザーをメインとした浮遊さたっぷりなサウンドには、モダンなアトモスフェリックさも感じつつ、初期Pink FloydやドイツのTangerine Dreamを彷彿とさせてもくれます。徐々にドラムとシンセサイザーがメインでリズミカルなサウンドとなり、冒頭部のヴァースへ戻るさまに、Yesのエッセンスを彷彿とさせる音楽性も含み活躍するイギリスのThe Tangentや、アメリカのTransatlanticあたりのモダンに落とし込んだ感覚も憶えます。

躍動的でファンタジックなサウンドに心躍る!

2「Different Skies」は、11のパートからなり、美しげに程よく危うさが行き来する約34分の大作です。

アルバムのアートワーク「Snowflake」を冠する第1パート「i. Snowflake」からはじまり、第11パート「xi. Endless Echo」で終わる楽曲には、北欧の地に近いし薄暗さ溢れるダークなアンサンブルを交えつつも、現代でいえば、The TangentやFlower Kingsにも通じるアダルトなムード、ヴォコーダーを導入しThe Bugglesを彷彿とさせるポップさ、初期Pink Floydを彷彿とさせる浮遊さやスペース・ロックのサウンド・メイキングに、フルートの音色を交えパーカッシブさに溢れたトラディショナルなパートなど、テクニックやスキルフルを駆使したカンタベリーシーンやファンタジックさに溢れた音の断片を多く堪能出来ます。

最終曲3「Wasps」は、スピリッチュアルさを感じてしまう楽曲です。ギターのリフにピアノが絡むアンサンブルに、淡々とヴァースは綴られていきますが、徐々にエクスペリメントな音の断片が交錯し合うさまは、Pink Floydでいえば、1975年発表のアルバム「Wish You Were Here」よりも、1969年発表のサウンドトラック「More」や1970年発表の「Atom Heart Mother(邦題:原子心母)」がふと脳裏に思い浮かべてしまいます。

1975年のプログレッシブ・ロックシーンと云えば・・・

Pink Floydのアルバム「Wish You Were Here」
Van der Graaf Generatorのアルバム「Godbluff」
Harmoniumのアルバム「Si On Avait Besoin D’Une Cinquieme Saison」
Mike Oldfieldのアルバム「Ommadawn」
Camelのアルバム「The Snow Goose」
Renaissanceのアルバム「Scheherazade And Other Stories」
Gentle Giantのアルバム「Free Hand」
Frank Zappaのアルバム「One Size Fits All」
Tangerine Dreamのアルバム「Rubycon」
The Rotters’ Clubのアルバム「The Rotters’ Club」
Jethro Tullのアルバム「Minstrel In The Gallery」
Jeff Beckのアルバム「Blow By Blow」
Atollのアルバム「L’Araignee-Mal」
Rushのアルバム「Caress of Steel」
Howkwindのアルバム「Warrior on the Edge of Time」

など、プログレ過渡期へと辿るなかにも挙げればきりがないほど、傑作や名作となるアルバムがありました。もちろん、プログレッシブ・ロックのファンであれば、他にも傑作や思入れあるアルバムがあるかと思います。

この1975年に発表を見立てた・・・と脳裏をよぎりながら、当アルバムを聴いてみる、もしくは先入観なくして聴いてみると、いろいろな発見があるアルバムかと思います。

「1978年」の発表も楽しみですね!

[収録曲]

1. Travelling Man
2. Different Skies
i. Snowflake
ii. Throne of Polaris
iii. The Tempest
iv. Super Sonic Shock
v. Ancient Light
vi. S.A.D.
vii. Every Day the Orbit
viii. Magnetic North
ix. Every Day the Orbit (Reprise)
x. Flood
xi. Endless Echo
3. Wasps

ファンタジックさやミスティックさを含み、シンフォニック系のプログレが好きな方におすすめです。

また、バンドがリスペクトするなかでも、GenesisやYesなどのファンタジックさ、シンフォニックさ、Pink Floydのミスティックさが好きな方や、1970年代のプログレッシブ・ロックの古き良きヴィンテージさが好きな方におすすめです。

2000年代以降であれば、たとえば、アメリカのTransatlanticやGlass Hammer、イギリスのThe Tangentを聴くプログレシッブ・ロックのファンの方にもおすすめです。

アルバム「1975-Triptych」のおすすめ曲

1曲目は、2「Different Skies」
11つのパートから成る約33分強の楽曲には、聴き手によって、自分とは異なる1970年代プログレッシブ・ロックを感じるかもしれません。

2曲目は、1「Travelling Man」
つい口ずさんでしまう「Travelling Man」の一節など、キャッチーでファンタジックさが溢れています。どことなくPeter Gabriel風のヴォーカリゼーションを感じてもしまいます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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