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プログレおすすめ:The Enid「Aerie Faerie Nonsense」(1977年イギリス)

公開日: : 最終更新日:2015/12/15 1970年代, イギリス, シンフォニック


The Enid -「Aerie Faerie Nonsense」

第222回目おすすめアルバムは、イギリスのシンフォニック系のプログレッシブ・ロックバンド:The Enidが1977年に発表した2ndアルバム「Aerie Faerie Nonsense」をご紹介します。

The Enid -「Aerie Faerie Nonsense」

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のように
1976年に発表した1stアルバム「In the Region of the Summer Stars」で提示した音楽は、Barclay James Harvestでオーケストラの指揮を担当していたRobert John GODFREYによる複数台のアナログシンセサイザーによるオーケストラの表現技巧に、オルガンやメロトロンをまじえ、ギター、ベース、ドラムを含むクラシカルさを醸し出すシンフォニック系のアンサンブルでした。

当アルバム「Aerie Faerie Nonsense」は、Francis Lickerish(ギター)、Dave Storey(ドラム)、Charlie Elston(キーボード)、Terry “Thunderbags” Pack(ベース)らとともに、1stアルバムから2年振りに発表され、


ふくよかなメロディラインに深みがまし、尊厳さや雄大さを感じさせるクラシカルなアルバムであり、2枚目にして最高傑作と呼ばれる1枚に仕上がっています。

プログレ・ハード系やジャズ系のエッセンスが融合したシンフォニック系のプログレッシブ・ロックと比べれば、力強く、ダイナミックさはあるものの、よりクラシック・ロックに近く、唯一無比とも云える存在かもしれません。

まるで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がロック・バンドに近づいたような印象かもしれません。

楽曲について

アルバムを聴きながら、クラシカル・ロックを想定し脳裏を掠めるかのは、5大プログレバンドでも、「Pictures at an exhibition(邦題:展覧会の絵)」や、くるみ割り人形をカバーした「Nutrocker」Emerson, Lake & Palmerのトリオの演奏には、時として、その力強さに、Keith Emersonのシンセサイザーの音使いとプレイやCarl Palmerのドラムのプレイにロック以上に猛々しさを感じてしまいまし、YesのRick Wakemanのソロ・アルバムでも感じえるクラシックさの華麗なタッチには、ピアノ協奏曲なイメージをもってしまいます。

比較することは避けたいところですが、そう、力強くも躍動的な冒頭曲1「A Heroes Life “Childe Roland To The Dark Tower Came”」も、トラディッショナルなメロディラインを讃えた2「Ondine “Dear Sweet Thing Of Wonderful Beauty: Roland’s Childe”」も、30秒ほどの小品3「Interlude」も、リズミカルにタイトルに相応しい曲調の4「Bridal Dance “Mayday Galliard”」も、いずれも曲調は問わずに、アナログ・シンセサイザーから放たれる多種多様な音色や旋律に、ギター、ベース、ピアノ、ドラムはアンサンブルとして見事に調和しています。アンサンブルが、心地良いハーモニーを感じさせながら、さらに、メイン・コンポンザーであるRobert John GODFREYによる、ふくよなかで優美なメロディラインに心をくすぐられるんです。

そして、最終曲5「Fand」では、力強さにも素朴さにも機敏さにも心地良いハーモニーをうむアンサンブルと、ふくよかなメロディラインとだけでなく、映画のワンシーンをみているかのような心地にもさせてくれます。クラシックでイメージするスムーズな展開には、尊厳さや雄大さに溢れてます。まるで、約30分にも及び一大交響楽のような趣きです。

[収録曲]

1. A Heroes Life “Childe Roland To The Dark Tower Came”(チャイルド・ローランドは暗き城に )
2. Ondine “Dear Sweet Thing Of Wonderful Beauty: Roland’s Childe”(オンディーヌ)
3. Interlude(前奏曲)
4. Bridal Dance “Mayday Galliard”(婚礼の舞)
5. Fand(ファンド)
1-1 Isle Of Brooding Solitude
1-2 The Silver Ship – Landfall
1-3 The Grand Loving
2- Love Death…The Immolation Of Fand

シンセサイザーによる演奏が好きな方、管弦楽器が加わったクラシカルなアンサンブルが好きな方におすすめです。

シンフォニック系のバンドですが、ロック然とした感触ではなく、オーケストラとしての指揮経験を活かしたアレンジがなされたと十分に感じられるため、クラシック好きな方にもおすすめです。

アルバム「Aerie Faerie Nonsense」のおすすめ曲

1曲目は、最終曲5の「Fand」
通常のプログレッシブ・ロックバンドでは、しっとりであればしっとり、快活であれば快活、しっとりと快活を行き交うなど、静と動と云うメリハリを効かせたアンサンブルが多い中で、当楽曲も含め、スムーズにテーマが展開していくのが堪らないのです。

2曲目は、冒頭曲1の「A Heroes Life “Childe Roland To The Dark Tower Came”」
オープニングでの、続くピアノ、ギター、シンセサイザーのユニゾンによるプレイに、力強さあるアンサンブルにも、一寸たがわぬ構築美と繊細さを感じてしまいます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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