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プログレおすすめ:Caravan「If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You」(1970年イギリス)


Caravan -「If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You」

第219回目おすすめアルバムは、イギリスのカンタベリー系のプログレッシブ・ロックバンド:Caravanが1970年に発表した2ndアルバム「If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You」をご紹介します。

Caravan -「If I Could Do It All Over Again, I'd Do It All Over You」
Caravanは、1968年に、イギリスで、Pye Hastings(ボーカル、ギター)、Dave Sinclair(オルガン、ピアノ、ハープシコード)、Richard Sinclair(ベース、ボーカル、タンバリン)、Richard Coughlan(ドラム、コンガ、ボンゴ、マラカス)の4人で結成されたバンドです。

当アルバム「If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You」は、1968年にデビューを飾った同名1stアルバム「Caravan」から2年振りのアルバムで、盟友:Jimmy Hastings(フルート、サックス)を交えて制作されています。

その音楽の特徴は、Soft Mashine、Gong、Egg、Hatfield And The Northなど、カンタベリー系のジャンルを括られますが、そのなかでも、Dave Sinclairのオルガン、Jimmy Hastingsのフルートやサックスが奏でる淡いサイケデリック/スペース系のサウンド・メイキングと、複雑に変拍子と転調を交え、時にスリリングに時に流麗な緩急のあるジャズ系のアンサンブル、そして、ツインボーカルも含めポップさある楽曲構成です。

当アルバムは、1stアルバムにもあった1960年代のブリティッシュ・ポップにあるビート・ロックっぽさある楽曲を残しつつも、1年後に発表されるであろうロックの名盤と誉れ高きアルバム「In The Land Of Gray And Pink」の直前にして、

Caravanらしさのソフトな感覚で確立されたサウンドを愉しめるアルバムです。

楽曲について

ユニークなアカペラとメインテーマの唄メロのメロディラインに1960年代の英国ロックを感じさせてくれる冒頭曲1「If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You」を聴いてしまえば、プログレッシブ・ロックというイメージに首をかしげてしまうかもしれません。それでも、インストルメンタル部でのファズかかったオルガンのソロやユニークなベースラインを含むリズムセクションには、Cavaranらしさあるサウンドが既に溢れてます。

2「And I Wish I Were Stoned / Don’t Worry」では、ピースフルな唄メロのメロディラインがツインボーカルで綴られていきます。オルガンをメインとしたアンサンブルや、インストルメンタル部でのオルガンとギターのソロに、独特のスキャットやコーラスワークなどが聴けます。

3「As I Feel I Die」は、仄かなオルガンとピアノをアンサンブルに、スローテンポにジャージーに綴られながら、徐々に変拍子をまじえアップテンポへと展開する楽曲です。せわしいギターのカッティングとリズムセクションに、長尺のオルガン、ギターのソロが炸裂し、クロージング直前にたたみかけるドラムといい、スリリングさにうっとりしてしまいますね。

4「With An Ear To The Ground You Can Make It / Martinian / Only Cox / Reprise」は、まるでThe Beach Boysの1960年代の幻の名作アルバム「Smily Smile」にジャズ系とロックのビートが融合したかのような楽曲です。ピアノ、ハープシコード、オルガン、フルートなどをまじえたアンサンブルの醸し出すマジカルさは、仄かなサイケデリックさを漂わせつつも、ジャズ系のアンサンブルが組み合わさることで、独特なグルーブと淡さを感じえるんです。5分前後のヴァースでの唄メロに並奏するフルート、ハープシードとシンバル、叙情さあるハーモニムを讃えるコーラスワークなども含め、アシッド・フォーク系の印象ももつかもしれません。心地良くて、淡い夢の入り口に辿りついたかのようなサウンドスケープを魅せてくれます。

当アルバムのハイライトは、スタッカートを効かせたサックスの旋律やサイケデリック/スペース系なマジカルなサウンド・エフェクトを交え、ブルーズを下敷きに、7拍子で一定のビートで突き進む5「Hello Hello」に続き、三声コーラスにサイケデリックなサウンドが絡み合う6「Asforteri」と、クールな唄メロのボーカルラインとフルートの旋律が印象的な最終曲8「Limits」に挟まれた、約14分にも及ぶ7「Can’t Be Long Now / Francoise / For Richard / Warlock」でしょう。

「Can’t Be Long Now」では、オルガンの重苦しい旋律とギターのカッティングをアンサンブルに、綴られる唄メロとフルートには、陰鬱さやメランコリックが敷き詰められ、突如、3分40秒前後からグラムロックばりのキャッチ―なギターのリフに導かれ、印象的なベースラインをまじえつつも、「Francoise」では、ファズ・ギターとサックスによるスリリングなソロ、「For Richard」では、フルートとサックスのきびきびとしたソロが堪能出来ます。10分10秒前後からの「Warlock」では、ファズを効かせたギターとオルガンによるインタープレイがスリリングにも繰り広げられ、ヒステリックさ寸前で劇的にもクロージングします。

この静のパートと動のパートに、スリリングなインタープレイは、クリエイティブを変え、洗練さに磨きがかかり、Caravanの以降のアルバムでは必ずといっていいほど素敵な定番と云えるべき存在で、Caravanのアルバムを聴く際の醍醐味の一つといえます。

[収録曲]

1. If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You
2. And I Wish I Were Stoned / Don’t Worry
3. As I Feel I Die
4. With An Ear To The Ground You Can Make It / Martinian / Only Cox / Reprise
5. Hello Hello
6. Asforteri
7. Can’t Be Long Now / Francoise / For Richard / Warlock
8. Limits

ほのかにサイケデリック/スペース系のサウンドもありますが、Soft Mashine、Gong、Eggなどカンタベリー系のプログレッシブ・ロックが好きな方で、まだ当アルバムに触れていない方、もしくは、はじめて聴いてみたい方におすすめです。

また、Caravanは、当アルバム以降、本格的にカンタベリー系やジャズ系などのエッセンスを濃厚にさせていくため、それほどプログレッシブ・ロックを聴き慣れておらず、たとえば、1960年代のThe Beatch Boysなどの楽曲にあるポップさや、2000年代の英国ロックで活躍したOcean Color SceneやThe Charlantansなど英国ロックらしさの王道を感じさせてくれるアルバムや楽曲などを好きな方が、プログレッシブ・ロックの入り口として、カンタベリー系の入り口として聴きたい方にはおすすめです。

当アルバムを聴き、Caravanを好きになった方は、1971年発表の3rdアルバム「In The Land Of Gray And Pink」と1972年発表の4thアルバム「Waterloo Lily」、ポップさもある1973年発表の5thアルバム「For Girls Who Grow Plump In The Night」や1975年発表の6thアルバム「Cunning Stunts」もおすすめです。

アルバム「If I Could Do It All Over Again, I’d Do It All Over You」のおすすめ曲

1曲目は、最終曲7の「Can’t Be Long Now / Francoise / For Richard / Warlock」
Caravanの長尺な楽曲構成での醍醐味の1つです。同様に感じた頂けたなら、ぜひ以降の4枚のアルバム(1971年発表の3rdアルバム「In The Land Of Gray And Pink」から1975年発表の6thアルバム「Cunning Stunts」)を聴くことをおすすめしたいです。

2曲目は、4曲目曲の「With An Ear To The Ground You Can Make It / Martinian / Only Cox / Reprise」
淡くも起伏さがそれほどないCaravanの魅力の1曲だからです。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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