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プログレおすすめ:Different Light「Icons That Weep」(2009年チェコ)

公開日: : 最終更新日:2015/12/30 2000年代, チェコ, メロディック・ロック


Different Light -「Icons That Weep」

第176回目おすすめアルバムは、チェコのクロスオーバー系のロック・バンド:Different Lightが2009年に発表した2ndアルバム「Icons That Weep」をご紹介します。
Different Light「Icons That Weep」
Different Lightは、1994年にTrevor Tabone(ボーカル、キーボード、ギター)を中心にMark Agius Cesareo(ギター)、Trevor Catania(ベース)、Richie Rizzo(ドラム)の4人でマルタ共和国で結成されたバンドです。1996年に1stアルバム「All About Yourself」を発表していますが、1999年夏にバンドは解散しています。

2008年に入って、Trevor Taboneはチェコ共和国のプラハを拠点に、Hynek Kocourek(ギター)、Petr Lux(ギター)、Daniel Charron(ドラム、パーカッション)、Premek Matejovic(ベース)とともにメンバー一新し再結成し、2009年に14年振りとなる当2ndアルバム「Icons That Weep」を制作し発表しています。

バンドの特徴は、コンポンザーとしてTrevor Taboneのクリエイティビティを活かしたサウンド・メイキングによる比重が高く、ネオ・プログレ系の代表格:MarillionやPendragonとまでとはいかないまでも独特の弾むポップさとメロディックな唄メロと、ミドルテンポやスローテンポの楽曲に顕著な5大プログレバンドの1つ:Pink Floydの浮遊さに通じるアトモスフェリックさへのクロスオーバー的なエッセンスです。元々本来あるメロディアスなロックバンドがプログレッシブ・ロックな演奏スタイルに近づいたといったイメージで聴いた方が良いかもしれません。そのため、楽曲によってはプログレッシブ・ロックよりもメロディアスなビート・ロックという印象を持つ方もいるでしょう。

マルタ共和国でバンドを結成・解散をし、14年の時を経てチェコ共和国の地で再結成をし「Different Light」と云うバンド名で発表しようとしたコンポンザーのクリエイティビティに触れてみよう。

楽曲について

冒頭曲1「Alternate Icon」は、男性の声をSEにギターとシンセの音色が飛び交うサウンド・エフェクトで幕を上げますが、1分15秒からのエレクトリックピアノやクワイアをアンサンブルに加えたスローバラードには、きっと何も知らないで聴けばそのギャップに驚くでしょう。

アルバムの楽曲は、アップテンポな楽曲とスローテンポの楽曲の二軸に分かれます。

アップテンポな楽曲では、2「A Life in a Day」、6「Solitary Heart」、8「Heaven and I」はそれぞれ驚くほどにポップさがあり、フックとなる確かなメロディラインを持つアップテンポの楽曲です。特に、く2「A Life in a Day」は、イントロ数秒間に1980年代の日本の伝説的なビート・ロックバンドBoφwyの名曲「Longer Than Forever」を彷彿とさせるギター・リフに驚かされてしまいます。楽曲のブレイクなどに変拍子を交えていても、アコースティック・ギターがメインのアンサンブルの第1ヴァースと、エレクトリック・ギターがメインのアンサンブルのブリッジやサビ部など、楽曲全体で爽やかなビート・バンド的な印象さえを感じます。

スローテンポな楽曲では、3「Angel Incarnate」、4「The Breaking」、5「A Creature of Habit」、7「Unholy Land」、最終曲9「The Few of Us」など、メインボーカルのTrevor Taboneの伸びやかな声質も合い間って、メロディアスに聴かせてくれます。3「Angel Incarnate」は、エレピやアコースティック・ギターがメランコリックな旋律を奏でるパートから、約1分30秒前後からアコースティック・ギターのストロークとエレピによるヴァースで伸びやかな唄メロが印象的なスローテンポの楽曲です。5「A Creature of Habit」は、特に3分前後から6分20秒前後までのパートを皮切りにアトモスフェリックさを存分に活かしたプログレッシブな楽曲です。

アルバム全篇、ビート・ロックぽさを感じたり、オルタナティヴ・ロックにも通じる美メロが満載のアルバムと勘違いしてしまいがちですが、スローテンポな楽曲でのエレクトリックピアノによる旋律を含めたパートやアンサンブルでのアトモスフェリックさは感じるあたりは、たぶんにクロスオーバー系といえます。

[収録曲]

1. Alternate Icon
2. A Life in a Day
3. Angel Incarnate
4. The Breaking
5. A Creature of Habit
6. Solitary Heart
7. Unholy Land
8. Heaven and I
9. The Few of Us
オルタナティヴ・ロックやポスト・ロックをはじめとし美メロが好きな方におすすめです。

スローテンポの楽曲によってアトモスフェリックさを醸し出すパートやアンサンブルが数曲あるため、複雑な構成のプログレッシブ・ロックに拒絶を感じる方や、ほんの少しプログレッシブなエッセンスを感じえたいという方にもおすすめです。

アルバム「Icons That Weep」のおすすめ曲

1曲目は5「A Creature of Habit」
当楽曲の持つアトモスフェリックさがあるからこそ、当アルバムをすすめたいと思いレビューを書くきっかけだったからです。そのアトモスフェリックさにも印象を薄れない唄メロの伸びやかなメロディアスさも特筆です。

2曲目は2「A Life in a Day」
ビート・ロック的なアプローチですが、Genesis的にもっとメロウに鍵盤系のアンサンブルが充実していれば、ネオ・プログレ然と感じさせてくれますし、日本的にも感じるメロディアスなロックをチェコ共和国のバンドが聴けたことに驚きでした。ワールドワイドに音楽をチェックしていて良かったと感じた瞬間ですね。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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