YESの名曲「不思議なお話を」を聴こう【イヤホン編1】
プログレッシブ・ロックを「聴こう」
普段、当WEBサイトでは、プログレッシブ・ロック関連のアルバム、楽曲など、おすすめを紹介しています。その中で、よく「プログレを聴くのにどんな機材(イヤホン、ヘッドフォン、スピーカーなど)で聴かれますか?」とご質問頂くことがあります。そこで、自分のいつも愛用している機材(つまり愛機)を利用し、プログレの有名の楽曲を合わせてご紹介します。
愛用する機材(イヤホン、プレイヤー、ヘッドフォン、アンプ、スピーカーなど)は下記ご参考下さい。
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愛用するポータブルオーディオ環境
YESの名曲「不思議なお話を(原題:Wonderful Stories)」をイヤホンで聴こう
第1回目は、イギリスの5大プログレバンドの1つ:YESの名曲「Wonderful Stories(邦題:不思議なお話を)」(アルバム「Going For The One(邦題:究極)」収録)です。
楽曲全体をアコースティカルなギターやドラムのシンバルが煌びやかに、中盤からはレスリースピーカー通じたシンセサイザーのフレーズが仄かにサイケデリックさを醸し出す約3分50秒に凝縮されており、シングル・ヒットしたこともあり、YESファンにとっては名曲として感じうる素敵な楽曲ですよね。
まだ聴かれていない方には、ぜひ、ファンタジックなサウンドが程良く心奮わす楽曲として聴いて欲しい楽曲です。
今回利用したイヤホンは6種類ですが、別段、プログレッシブ・ロックに特化したとかは意識しておらず、自分が普段愛用しているものばかりです。音源(CDリッピングでFLAC形式)、アンバランス接続で聴いてますが、もしも、今後のイヤホン選択やプログレッシブ・ロックを聴く1つの参考になれたら幸いです。
1つ目:Westone Umpro30
音を聴く時にリファンレンス(基準)にしているイヤホンです。試聴の利用目的は、YES特有のファンタジックにもシンフォニックに拡がる音をモニターライクに聴きたい点です。
アコースティック・ギターのストロークに、左右で交互にシンバルの音が鳴り響き、一呼吸置き、Jon Andersonのボーカル・パートも優しげに、ゆったりと楽曲は進行していきます。アタックが強くもマイルドなベースライン、ポリニフォニック・シンセサイザーによるサウンド・メイキング、そして、ボーカル・ハーモニーも美しく、1分30秒前後のポリフェニックのフレーズなんて、さにクラシカルでありながら、ドリーミーと云う言葉が似つかわしいですね。2分前後からは、ボーカルとボーカルハーモニーは左右で輪唱のように響き渡り、Steve Howeの独特のトリッキーなギターのフレーズも合わさり、最後は大らかに拡がるコーラス大円団を迎えるかのように楽曲はクロージングします。
もう、YESのファンタジックさやシンフォニック系のサウンドが好きな方には恍惚ですね!
2つ目:Shure SE846
[本体]Shure SE846+[ケーブル]Wagnus. ButterFly Effects Type Betesia
SE846試聴の利用目的は、その低音の質を感じえたい点です。
低音に焦点を置けば、特に、Chris Squireが弾くベースの音1つ1つは、よりくっきりと輪郭を持った粒となり音階も豊かに感じ聴き取れます。ケーブルを変えたとはいえ、SE846は左右のレンジはUmpro30よりも狭まった感覚ですが、低音を意識し、楽曲全体を見渡すことで、バスドラ、スネアドラム、シンバルの輪郭も伝わってきて、ベースラインによるリズミカルさを感じながら聴く楽しみが自分の胸にこみ上げてきます。いっぽうで、Umpro30よりもベースラインやボーカルにフォーカスされ、アコースティック・ギターやコーラスの定位も変わるので、聴き手によっては好みによる音場ではないかと思います。
低音を意識し、他の音を輪郭をくっきりと聴くと、また新たなサウンドスケープを感じるんです!
3つ目:くみたてLab KL-REF
KL-REFの利用目的は、低音の質と高域の余韻よりも本来あるべき音の断片を聴きたい点です。
ベースラインがすっきりし、高中寄りの音に、アコースティック・ギターや高音のJon Andersonの声の響きが心地良く問いかけてきます。Umpro30で感じえた音の拡がりや厚みによるドリーミーさよりも、KL-LEFのクリアなサウンドは聴いてる脳内を見渡すようなイメージが湧き、残響音の心地良さも合い間って仄かなドリーミーさが心地良く感じるというわけです。また、いずれの音が過度に強調しようなどと云う感じもなく、ハイブリット構成なのに、不思議とすっきりと聴けました。
ファンタジックさのある音の1つ1つをすっきりと見渡すように感じえるのがたまらないです!
4つ目:Canal Works CW-L71
[本体]Canal Works CW-L71+[ケーブル]Effect Audio Thor Silver Cable Balanced
CW-L71の視聴利用目的は、リケーブルを施し高域に特化し聴きたい点です。
ドラムも含め、ベースラインはすっきりしますが、それでもさすがにChirs Squireのベースの存在感は凄いです。ベースラインを意識し聴くことで各楽器やjon Andersonの声量など、特に高域側の拡がりには、他のイヤホンとは異なるドリーミーな感覚に包まれた心地になります。また、ポリニフォニックのフレーズの微妙な響きには、より繊細さを感じるのです。ボーカルとコーラスは定位だけでなく、各々が被さることを抑え、立体的に音の定位がくっきりするのも分かります。また、個人的に声質の高低が感じえた時に身震いさえ感じてしまいます。
高域の音が脳裏へ溶け込んでくるような感覚と、聴こえない音を探求したいと云う意欲が湧いてたまらないんです!
(ただ、極端に音が高域寄りな感覚にもなるのでバランス良く聴きたい方には不自然なのであまりおすすめは出来ません。)
5つ目:Noble Audio Kaizer10 Black Sparkle
[本体]Noble Audio Kaizer10 Black Sparkle+[ケーブル]Wagnus. Diamond Dust Type Aenigma Balanced
Kaiser 10 Black Sparkleの視聴利用目的は、その機種の特性を活かし、どの帯域も力強く押し出されつつ、音の聴き取りに破綻しなく魅了されるのを他に所持する多ドライバーとの比較です。
左右でもかぶりそうな音が前後に分かれ、分離されて聴こえるので、「Wonderful Stories」がより立体化された音像に聴こえます。そのため、2分前後からのポリフォニックのフレーズによるサイケデリックな感覚や、2分40秒前後のコーラスが下から湧き上がるように聞こえる音場には聴き心地が圧倒されます。そして圧倒されても音のバランスを損なわずにまとめあげ、クロージングまで聴かせてくれます。
左右に振り分けられた音は前後さを感じ、前方の音の高さ低さの定位がくっきりと分離され、かつ、力強く響き渡るため、ファンタジックさが聴き終わえれば爽快な気分になってしまうんです!
6つ目:64 Audio Adel A12
[本体]64 Audio Adel A12 +[ケーブル]Wagnus. Luna Balanced(or SLK Audio Custom Order Balanced)
A12の試聴利用目的は、自分がいつも愛用してる機種のうち聴くことを突き詰めて選んだ「A12」でどのように楽曲を感じえるかと云う点です。
SE846の低音の質やKl-refの低音の質と余韻や断片までは望めませんが、楽曲全体から感じるサウンドスケープは「見渡し拡がる草原」です。kaiser10と違い、音が解放されていくように感じるため、音1つ1つの表情が発生後に肌身に感じるような心地にもなります。
楽曲を聴いた余韻が残るよりも、聴き疲れなくずっと聴いていたい、その音の中にいたいと思ってしまうんです!
まとめ
自分が愛用しているイヤホンだけでもそれぞれ聴いた音に「異なる音」と出逢います。ましては、プログレッシブ・ロックでも大好きなバンドの1つであるYESの演奏は夢中で聴いていたくなります。今回、視聴に選択したイヤホンのうち、「Wonderful Stories(邦題:不思議なお話を)」を聴くイヤホンとして選択するとしたら、座してリラックスして落ち着いて聴く云う条件では「64 Audio Adel A12」が最もしっくりと感じました。いっぽうで、通勤の電車では「くみたてLab KL-REF」、徒歩では「Shure SE846」を利用に選択してしまうかもしれません。
また、収録アルバム「Going For The One」の楽曲では、アルバム同名曲「Going For The One」のようなロックさ、「Turn Of The Century」のように音数が少なくアコースティカルな響き、「Paralles」のようなソリッドさ、など聴く楽曲によっては選択するイヤホンも分かれてしまうかもしれません。
・・・イヤホンから受け取る音の感想、および、そのイヤホンを取り巻く環境(音楽プレイヤー、ケーブル、イヤピースなど)で変わってきます。あくまで当レビューは個人の主観で書いてますのでご了承ください。もしも、今回ご紹介した自分の愛用してるイヤホンが興味をもたれたら、たとえば、関東圏であれば、東京の秋葉原のeイヤホンなどへ足を運び視聴してみてはいかがでしょうか(^-^)
自分自身がしっくりくる音楽を聴く環境を整えるだけでも普段聴いてる音楽は全く違うサウンドスケープを魅せてくれるかと思います。それは、年月が経るにつれて多種多様な音楽性が「ハイブリット」するプログレッシブ・ロックを聴くにしても同じことです。
そんなプログレな気持ち、いや、一音楽ファンの気持ち。みなさんはいかがですか?
【追伸】レビューで扱う楽曲には、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」1部と2部のED曲に利用された「Roundabout(邦題:ラウンドアバウト)」やヴィンセント・ギャロ主演の映画「バッファロー’66」挿入歌に利用された「Heart Of The Sunrise(邦題:燃える朝焼け)」にしようか迷いましたが、当WEBサイトで違うカタチで楽曲をご紹介してるため、当「不思議なお話を」を選択させて頂きました!
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