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ELPの名曲「ラッキー・マン」を聴こう【イヤホン編2】

公開日: : 最終更新日:2020/01/04 プログレを聴こう , , ,


ELPの名曲「ラッキー・マン(原題:Lucky Man)」を聴こう

第2回目は、イギリスの5大プログレバンドの1つ:ELPの名曲「ラッキー・マン(原題:Lucky Man)」(アルバム「Emerson, Lake & Palmer」収録)です。

Greg Lakeが12歳の時に初めてギターを買ってもらった時に書いた楽曲と云われてます。

Ooooh, what a lucky man he was(彼はなんて幸運な男なんだ)

のサビ部は、楽曲全体の寓話的な歌詞感を忘れて、この歌詞の意味を想い涙ぐましくなってしまいます。・・・Greg Lakeの歌声は決してムーグの音色にも埋もれず色褪せない・・・。いや、色褪せないように聴き続け、後世に語り継ぎたいですね。

愛用する機材(イヤホン、プレイヤー、ヘッドフォン、アンプ、スピーカーなど)は下記ご参考下さい。
▼愛用するポータブルオーディオ環境については下のリンクから▼
愛用するポータブルオーディオ環境

今回も6機種機材をピックアップしました。

1つ目:Westone Umpro30

Weston UMPro30

音を聴く時にリファンレンス(基準)にしているイヤホンです。試聴の利用目的は、リスニング寄りにもモニターライクに聴きたい点です。

アコースティック・ギター、ベース、ドラムと云う基本構成のアンサンブルで進行し、楽曲の後半はKieth Emersonによるモーグ・シンセサイザーの縦横無尽な音に切り裂かれつつクロージングします。当楽曲を含むアルバム前半部で魅せるクラシック、ジャズ、カントリー、ブルーズなどのエッセンスとは無縁のプログレ・フォーク寄りのサウンド・メイキングやアンサンブルでありながらも、いっぽうで、2ndアルバム以降に魅せる圧倒的なテクニカルなサウンド・メイキングの一端とも云えるムーグ・シンセサイザーのフレーズがコントラストを成してます。

左右に分かれたアコースティック・ギターをメインに、Greg Lakeのリズム・セクションとコーラスワーク、そして、左チャネルに配されたカントリー・タッチのギター・ソロ、3分15秒前後からのムーグによるフレーズが左右を縦横無尽に行き交い残響とともにクロージングを迎えます。

Greg Lakeの声質から滲み出る優しさに触れたように、ふくよかな中域に心が包み込まれた感覚になります。

2つ目:Ultimate Ears Reference Moniter

Ultimate Ears Reference Moniter

Ultimate Ears Reference Moniterの試聴の利用目的は、よりフラットに音をモニターライクに聴きたい点です。

Umpro30よりもすっきりとした澄み渡り、ベースやドラムの音1つ1つに定位が明確になるため、Greg Lakeの声質は、時折、生々しさを感じてしまい、心をくすぐられる瞬間があります。フラットでリファレンス・モニターであるUERMの音はドライともいえますが、いっぽうで、歌声の本質となる響きをより身近に感じてしまうんです。たとえそれが、エンディングに向けたムーグのフレーズが左右を縦横無尽に行き交いながらも楽曲の一部としての印象を与えるモニターライクなエッセンスさえ忘れてしまうぐらいに・・・。

聴き終われば、音がフラットと感じるほど、時折、心をくすぐられる音の瞬間が訪れては、溜息をついてたことを振り返ってしまいます。

3つ目:くみたてLab KL-REF

くみたてLab Kl-Ref

KL-REFの利用目的は、低音の質と高域の余韻だけでなく、本来あるべき音の断片を聴きたい点です。

左右の音場だけでなく、沈み込むも輪郭のあるベースの音と、アコースティック・ギターの高中域の響きには上下に拡がりも感じるため、UERMと同様に中域がすっきりと澄み渡りつつも、ハイブリット型のドライバー構成の恩恵か、より立体的な音場で聴けます。メイン・ボーカルとコーラスワークの位置関係や、ムーグのフレーズの音の分離が明瞭に感じ取れます。ハイブリット型であり、5ドライバーも多ドライバーであるかもしれませんが、多くのドライバーを積むイヤホンよりも、トリオ編成で発せられる音数を個人的には気持ち良く感じます。

上下左右に音が心地良くバランスを保ちながら聴き入ってしまいます。

4つ目:Noble Audio Kaizer10 Black Sparkle

Noble Audio Kaiser 10 Black Sparkle

[本体]Noble Audio Kaizer10 Black Sparkle+[ケーブル]Wagnus. Diamond Dust Type Aenigma Balanced

Kaiser 10 Black Sparkleの視聴利用目的は、その機種の特性を活かし、どの帯域も力強く押し出されつつ、音の聴き取りに破綻しなく魅了されるのを他に所持する多ドライバーとの比較です。

Greg Lakeのボーカルがより面前で響きつつも、ボーカルだけが強調されることなく、いずれの楽器も活気に満ち、脳裏に迫ってきます。それでいて各音が破綻しない感覚に聴き入ってしまい、サビ部の「Ooooh, what a lucky man he was」やコーラスワークでの盛り上がりは胸に迫るものがあります。エンディングでのムーグのフレーズでも同様にKL-REF以上にダイナミックに聴かせてくれます。

聴き終われば、感傷的な気分よりも、裏腹に爽快さを感じてしまうんです。

5つ目:JH AUDIO RoxanneⅡ Universal Fit

Jh Audio Roxanneⅱ

JH AUDIO RoxanneⅡ Universal Fitの視聴利用目的は、JH AUDIOに抱く低音の張り、ライブ感を感じるためです。

低域調整機能(Variable Bass Output Adjustable Cable)を最小に絞っても、所持するイヤホンの中では、Greg LakeのベースやCarl Parmerのバス・ドラの音が際立ち聴こえ、さらに、低音の余韻にボーカルが包まれそうな感覚にもなります。いっぽうで、リズム・セクションの低音に迫力を感じることで、エンディングに向けたムーグのフレーズは浮つかずアンサンブルと一体化したとも感じるのです。解像度が高い一つ一つの音がステージ上でライブさながらに響かせる感覚は、Kaiser 10 Black Sparkleとは異なったロックのダイナミズムで爽快な心地ですね。解像度が高いからこそ、時折、音数が少なくなる瞬間には、サビ部からヴァースへ戻る際など、ハッとさせられもします。

聴き終えた後の心地よりも、ライブさながらのロックな気分で聴きたいと選択したくなる衝動にかられます。

6つ目:64 Audio Adel A12

64 Audio A12

[本体]64 Audio Adel A12 +[ケーブル]Wagnus. Luna Balanced(or SLK Audio Custom Order Balanced)

A12の試聴利用目的は、自分がいつも愛用してる機種のうち聴くことを突き詰めて選んだ「A12」でどのように楽曲を感じえるかと云う点です。

RoxanneⅡで聴いた後では、すっきりとした印象を持ちますが、楽曲を聴きすすみ感じるのは、やはりKaiser 10のように1つ1つの音が際立つ音場です。ただし、ADELテクノロジーによる恩恵で、音が際立ち、その後に減衰よりも余韻を程良く残し解放されていくイメージのため、聴き心地は異なります。たとえば、2分15秒前後に発せられるGreg Lakeのハミングの印象は、他イヤホンとは異なる印象を与えてくれます。やはり、A12に感じる楽曲全体から感じるサウンドスケープに「見渡し拡がる草原」をイメージもしてしまいますね。トリオ編成による演奏にも関わらず、多くのミュージシャンによる演奏かと錯覚してしまうぐらいに、解像度はすさまじく、それでいて見渡し拡がる草原のような感覚に陥ってしまいます。

トリオ編成による演奏ではないと錯覚さえ憶えてしまいます。

まとめ

今回、視聴に選択したイヤホンのうち、「ラッキー・マン(原題:Lucky Man)」を聴くイヤホンを選択するとしたら、トリオ編成、アコースティカルな響き、そして何よりもGrek Lakeの声質に触れたいと思ったら「Westone Umpro30」を選択してしまいます。Westoneのイヤホン特有さに、Grek Lakeの歌唱に優しさを感じてしまうんですよね。

ただし、アルバム全篇、トリオ編成によるテクニカルさやスキルフルさが際立ち、クラシカル系やジャズ系のエッセンスも感じられることから、

アルバム全篇を通じ聴くとしたら、つい「Noble Audio Kaizer10 Black Sparkle」を利用してしまうかもしれません。

今回利用したイヤホンは6種類ですが、別段、プログレッシブ・ロックに特化したとかは意識しておらず、自分が普段愛用しているものばかりです。第1回目とは異なるイヤホンも含めておりますので、今後、イヤホン選択やプログレッシブ・ロックを聴く1つの参考になれたら幸いです。

・・・イヤホンから受け取る音の感想、および、そのイヤホンを取り巻く環境(音楽プレイヤー、ケーブル、イヤピースなど)で変わってきます。あくまで当レビューは個人の主観で書いてますのでご了承ください。もしも、今回ご紹介した自分の愛用してるイヤホンが興味をもたれたら、たとえば、関東圏であれば、東京の秋葉原のeイヤホンなどへ足を運び視聴してみてはいかがでしょうか(^-^)

自分自身がしっくりくる音楽を聴く環境を整えるだけでも普段聴いてる音楽は全く違うサウンドスケープを魅せてくれるかと思います。それは、年月が経るにつれて多種多様な音楽性が「ハイブリット」するプログレッシブ・ロックを聴くにしても同じことです。

そんなプログレな気持ち、いや、一音楽ファンの気持ち。みなさんはいかがですか?

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