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プログレおすすめ:Quantum Fantay「Dancing In Limbo」(2015年ベルギー)

公開日: : 最終更新日:2015/12/29 2015年, スペース・ロック, ベルギー


Quantum Fantay -「Dancing In Limbo」

第171回目おすすめアルバムは、ベルギーのサイケデリック/スペース系のプログレッシブ・ロックを聴かせてくれるバンド:Quantum Fantayが2015年9月22日に発表した5thアルバム「Dancing In Limbo」をご紹介します。
Quantum Fantay「Dancing In Limbo」
Quantum Fantayは、ベルギーで2004年にPete Mush(キーボード)とJaro formed(ベース、ジャンベ、パーカッション)がそれぞれのバンドを解散後、結成したバンドです。まもなくGino Bartolini(ドラム、パーカッション)とCharles Sla(ギター)がバンドに加わります。そして、2005年に1stアルバム「Agapanthusterra」でデビューを飾ります。

バンドの特徴は、現代のサイケデリック/スペース系のプログレッシブ・ロック最高峰となるイギリスのバンド:Ozric Tentaclesに近しいサウンドです。しかし、Ozric Tentaclesのサウンドを踏襲するのではなく、エレクトロ系、グルーブ系、ワールド系のロックのジャンルやサイケデリック系のエッセンスを散りばめたプログレッシブ・ロックをサウンド・メイキングし、レゲエやダブに落とし込んだアンサンブルで聴かせてくれます。

リズミカルでアップテンポなセクションをギターとキーボードで繰り返すエレクトロなサウンドは、トリップ感たっぷりに溢れ、たとえば、1970年代に活躍したHawkwindのようなスペース・ロックとプログレッシブ・ロックを織りまぜて吸収したサウンドを引き合いにだされることもあります。

当アルバムは、Ozric Tentaclesのギタリスト:Ed Wynneがゲスト参加し、さらなるサイケデリック/スペース系のサウンドを強めており、
よりサウンドに拡がりをもたせたシンフォニックさも感じる2015年を代表するサイケデリックさ

に溢れた1枚と思います。

楽曲について

アルバムは、それぞれ1曲が約11分前後の長尺の楽曲であり、インストルメンタルな楽曲で占められています。当バンドの特徴であるアフリカの土着楽器:ジャンベや様々なパーカッションを活かしたパーカッシブさ溢れたリズムに、縦横無尽にもシンセとギターがコラージュのように展開する印象が強いアップテンポな楽曲ばかりです。サイケデリック/スペース系といえば、ミニマルなフレーズの繰り返しや、単調なリズム感に陥り易そうなところを、レゲエやダブをアップテンポさで繰り出すクリエイティブ性が、1970年代や1980年代の同系統のバンドとは一線を画す存在です。Hawkwindを引き合いに出されることが多いのは、Hawkwindがサイケデリック・ロックに囚われず様々な音楽ジャンルを変遷する希有な存在だったからだと思うんです。

また、ギター、シンセ、フルートが奏でる抒情性のあるメロディラインを聴かせることも通常のサイケデリック/スペース系やヴィンテージさあるバンドとは異なるところかもしれません。

Quantum Fantay Dancing in Limbo teaser



いかがですか?youtubeで紹介されたアルバムのティーザーで短い動画ですが、そのアップテンポで躍動さあるサウンドの一端を感じえていただけましたでしょうか。アルバムタイトルを和訳した「リンボ(ラテン音楽の一種)で踊ろう」をサウンドスケープさせてくれる素敵な1枚ですね。

[収録曲]

1. Nimbo
2. Rimbo
3. Cacimbo
4. Limbo

サイケデリック/スペース系のなかでも時としてメロディアスなメロディラインを奏でるギター、シンセなどのメロウさには、イギリスの1970年代のHawkwind、現代のOzric Tentacles、フランスのGong、フィンランドのHidria Spacefolk、デンマークのMantric Museなどのバンドが好きな方におすすめです。

1970年代の回顧的でもあるビンテージ系さよりも、より現代的に昇華した感があるサイケデリック/スペース系を、アップテンポで明朗に聴かせるため、サイケデリック/スペース系をはじめて聴く方にもおすすめです。

アルバム「Dancing In Limbo」のおすすめ曲

※アルバム全篇、インストルメンタルな楽曲のため、控えさせていただきます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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