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プログレおすすめ:Roz Vitalis「Lavoro D’amore」(2015年ロシア)

公開日: : 最終更新日:2015/12/29 2015年, エクレクティック[折衷派], フルート, ロシア


Roz Vitalis -「Lavoro D’amore」

第106回目おすすめアルバムは、ロシアのチェンバー・ロック系のプログレッシブ・ロックバンド:Roz Vitalisが2015年に発表した9thアルバム「Lavoro D’amore」をご紹介します。
Roz Vitalis「Lavoro D'amore」
2001年にサンクト・ペテルブルグにて、van Rozmainsky(キーボード)をメインにバンドは音楽活動を開始しました。2003年には、Nadezhda Regentova(キーボード、ボーカル)とVladimir Polyakov(キーボード)によるキーボードのトリオ編成でも活動していましたが、2005年以降、Klara Metelkova(フルート、ハーモニカ)、Yuri Verba(クラリネット)が加わることで現バンドの音楽性に近いアンサンブルで聴かせるようになります。

特に、RIO系、Avant-Prog系、シンフォニック系、サイケデリック/スペース系などの影響を受け、イギリスではKing Crimson、Gentle Giant、Yes、Emerson lake and Palmer、Jethro Tull、イタリアではLe Orme、ハンガリーのAfter Crying、オランダのSupersisterのプログレッシブ・ロックのシーンを代表する錚々たるバンドや、プログレから派生し80年代を駆け抜けたDepeche Modeの名前があがります。総じていえば、ロック然とした演奏よりも、電子ドラムを多用したチェンバー系の比重が高いサウンドともいうべきでしょうか。

楽曲について

冒頭曲「The Acknowledgement Day」から最終曲「Ending」まで、ハードエッジなギターもあり、過去アルバムよりもロック的なアプローチはあるものの、フルートをアンサンブルに含めた各楽曲は、やはりチェンバー色のある中世音楽を連想させる室内音楽的なアンサンブルを堪能出来ます。

アルバムの聴きどころは、Pink Floyd的な展開が聴ける2曲など、後半部の楽曲でしょうか。
7「Invisible Animals」は、アルバム「The Wall」の代表曲ともいえる楽曲「Run Like Hell」のベースラインを連想させてくれますし、10「What Are You Thinking About?」は、初期Pink Floydのサイケデリック/スペース系の音楽性に、ギターアプローチには1980年期のアルバム「The Wall」でも多用していた技巧を感じえます。楽曲後半のトランペットによるソロ・パートも印象的です。ハープシコードとフルートによるアンサンブルのラスト楽曲11「Ending」はそれぞれの音の粒が織りなす絶妙でゆったりと陶酔させてくれます。

当アルバムは、インストルメンタルな楽曲で占められているからというわけではありませんが、冒頭曲から最終曲まで通して聴いて欲しいアルバムです。

多種多様なプログレッシブ系のエッセンスやバンドから影響を受けながらも、van Rozmainsky(キーボード)による鍵盤系をメインとし、楽曲によって、フルート奏者、トランペット奏者、ウクレレ奏者、パーカッション奏者などを交えるアンサンブルには所々にさまざまなサウンドスケープを感じさせてくれます。さらにその先にある陶酔さに浸ってくれるに間違いありません。

[収録曲]

1. The Acknowledgement Day
2. Lavoro D’Amore
3. Unanticipated
4. Il Vento Ritorna
5. There Are The Workers Of Iniquity Fallen
6. Need For Someone Else
7. Invisible Animals
8. Every Branch That Beareth Fruit
9. Ascension Dream (Peak Version)
10. What Are You Thinking About?
11. Ending

室内楽(チェンバー・ミュージック)によるプログレッシブ・ロックが好きな方におすすめです。また、多種多様なプログレッシブ系のエッセンスを取り込んでおり、より深くプログレッシブ・ロックの造形に触れたい方にもおすすめです。

アルバム「Lavoro D’amore」のおすすめ曲

※アルバム1枚を通じ全インストルメンタルな楽曲ですの、おすすめ曲は控えさせていただきます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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