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プログレおすすめ:Kauan「Kuu..」(2011年ロシア)

公開日: : 最終更新日:2015/12/22 2010年‐2013年, ポスト・ロック, ロシア


Kauan-「Kuu..」

第215回目おすすめアルバムは、ロシアのポストロック系のバンド:Kauanが2011年に発表した4thアルバム「Kuu..」をご紹介します。
Kauan「Kuu..」

Kauanは、2005年に、ロシアはチェリャビンスクで、Anton Belov(ボーカル、ギター、キーボード、プログラミング)によって結成されたバンドです。

当初は、各種メタル系(フォーク・メタル、ブラック・メタル、ドゥーム・メタル)のサウンドが特徴のバンドでしたが、女性のバイオリン奏者:Lubov Mushnikovaが2007年に発表する1stアルバム「Lumikuuro」の前に参加以降は、アンビエント系やポスト・ロック系のサウンドにも、徐々に、メランコリックさやアトモスフェリックさも感じさせるフォーク系のアンサンブルが主体のアルバムを発表していきます。

そのアンサンブルやサウンド・メイキングからは、アメリカのポストロック系のバンド:Explosions in the Skyやスイスのプログレッシブ・メタル系のNucleus Tornなど想起し、Anton BelovとLubov Mushnikovaのユニットに、Alina Roberts(キーボード)、Vladimir Seroukhov(ギター)、Vitaly retjakov(ベース)、Aleksander Zasipkin(ドラム)を交えた6人編成で制作された当4thアルバム「Kuu..」でも、ほのかに哀愁さ、郷愁を感じさせつつも、

余韻を残すピアノとヴァイオリンの旋律で叙情さや幽玄さがじわじわと溢れだすサウンドが聴けるポスト・ロック系だけには括りきれないアトモスフェリックさが満載のアルバムです。

楽曲について

冒頭曲1「Tähtien Hiljainen Laulu」は、アンニュイさ溢れるプログラミングに、女性のスキャットが高らかに舞い幕を上げる楽曲です。ピアノのアンサンブルに、ヴァースでは男性による唄メロがありながらも、それ以上に楽曲冒頭部で聴ける女性のスキャットが際立つとともに、ヴァイオリンやピアノの旋律がドラマチックに楽曲を彩るのが印象的です。

綴れ織りのギターのフレーズで幕を上げる2「Kauniin Kuun Sävelen」は、男性ボーカルによる唄メロに、ヴァイオリンとピアノのクラシカルなアンサンブルと女性スキャットと云う当バンドの典型的なスタイルが聴ける楽曲です。アトモスフェリックさを醸し出すサウンド・メイキングが溢れ、残響さでエフェクト処理されたギターのストロークとともに楽曲はクロージングします。

3「Ikuinen Junan Kulku」は、ヴァイオリンとピアノによる掛け合うアンサンブルがメインに、たんたんとヴァースの唄メロにヴァイオリンがユニゾンで綴られる楽曲です。随所に、同国ロシアのThe Gourishankarを彷彿とさせるムーグ・シンセサイザーによる旋律、クラシカルなピアノの独奏、エフェクト処理されたギターのフレーズによる残響さなど、ポストロック系やアンビエント系とだけでは括れないサウンド・メイキングによるプログレッシブな展開が聴けます。

最終曲4「Suora Liila Sydänkäyrä」は、アブストラクトな音の断片と、ヴァイオリンとピアノによる旋律に哀愁さと明朗さを感じさせる冒頭から中盤の展開にも、後半部ではドゥーム・メタル特有の展開をする楽曲です。

アルバム全篇、ピアノとヴァイオリンがメインとしたアンサンブルには、ドラマチックな展開を魅せることがあっても、変拍子や移調を駆使した大きく起伏のある展開がないために、ポストロック系やアンビエント系のサウンドの印象をもちますが、アトモスフェリックさ、楽曲構成、随所で魅せる1970年代のプログレッシブ・ロックのエッセンスをモダンに落とし込んだ味付けなどが映えるアルバムです。

[収録曲]

1. Tähtien Hiljainen Laulu
2. Kauniin Kuun Sävelen
3. Ikuinen Junan Kulku
4. Suora Liila Sydänkäyrä

ポストロック系やアンビエント系の音楽が好きな方におすすめです。

また、同国ロシアでなら、たとえば、The GourishankarやEternal Wanderersのような変拍子や変調を多用したテクニカルな展開や、IamthemoringやCapriceのような明確にメロディックな展開はありませんが、ポストロック系やアンビエント系と云う括りだけではおさまりきれないプログレッシブ・ロックのエッセンスがあります。

たとえば、アメリカのポストロック系のバンド:Explosions in the Sky、スイスのプログレッシブ・メタル系のNucleus Torn、イギリスのプログレッシブ・バンド:Anathamaのアルバム「Falling Deeper」や「Weather systems」に収録されているスローテンポでゆったりと浮遊さある楽曲が好みの方に、おすすめです。

デビュー当初からユニットを組んでいたLubov Mushnikovaは当アルバムをもって脱退してしまいます。その彼女のヴァイオリンが聴けるアルバムでもあります。

アルバム「Kuu..」のおすすめ曲

1曲目は、冒頭曲1「Tähtien Hiljainen Laulu」
ドラムのフィルインのタイミングやコード進行に、1970年代初頭のプログレッシブ・ロックの叙情さのある楽曲を彷彿とさせてくれるんです。

2曲目は、3「Ikuinen Junan Kulku」
当アルバムで最もプログレッシブ・ロックの展開を示し、ヴァイオリンのプレイが印象的な楽曲です。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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