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プログレおすすめ:Emerson, Lake & Palmer「Pictures At An Exhibition(邦題:展覧会の絵)」(1971年イギリス)

公開日: : 最終更新日:2015/12/29 1970年代, ELP(5大プログレ), イギリス , , ,


Emerson, Lake & Palmer -「Pictures At An Exhibition」

第184回目おすすめアルバムは、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド:Emerson, Lake & Palmerが1971年に発表したライブ・アルバム「Pictures At An Exhibition(邦題:展覧会の絵)」をご紹介します。
Emerson, Lake & Palmer「Pictures At An Exhibition」
当初は発売予定もなかったと云うから、驚きのアルバムです!

「Pictures At An Exhibition」は、Emerson, Lake & Palmerにとって、1970年代のデビュー当初からライブではセットリストに入っていて、2ndスタジオ・アルバム「Tarkus」の制作と発売の合間に、ライブで録音された音源でした。ただ、気が付けばライブ音源の海賊版は音楽市場を賑わってしまったため、その海賊版を回収し、「Pictures At An Exhibition」と楽曲「Nutrocker」を組み合わせて発売されました。

その「Pictures At An Exhibition」は、19世紀のロシアの作曲家:Modest Petrovich Mussorgsky(モデスト・ムソルグスキー)が作曲したピアノ組曲「展覧会の絵」を原曲に、フランスの作曲家:Joseph-Maurice Ravel(ラベル)がオーケストラへと編曲したものを基にしていますが、Emerson, Lake & Palmerは、さらにオリジナル楽曲や追加楽曲を交えています。

Greg Lake(ボーカル、ベース、ギター)、Keith Emerson(ピアノ、オルガン、ハープシコード、アコーディオン、ムーグ・シンセ、ボーカル)、Carl Palmer(ドラム、パーカッション、パーカッション・シンセ)によるトリオで繰り広げられるライブ感満載の当アルバムには、

創造力と一体感で数々の傑作や名曲を創り上げたクラシカルさとジャズのロックの源

を感じさせてくれます。

楽曲について

「Pictures At An Exhibition」の原曲「Bydlo(ビドロ)」のコード進行を利用したGreg Lakeによるオリジナル楽曲「The Sage(賢人)」が追加されたとはいえ、有名なクラシック家で有名な楽曲であることに変わりはないと思うんです!

楽曲の配置を変え、原曲に編曲に編曲を重ねて仕上がった全楽曲には、「猪突猛進」という言葉が似つかわしいEmerson, Lake & Palmerの攻撃的で暴力的とも云えるハードロックによるアンサンブルが違和感なく盛り込まれながら、King Crimson在籍時から垣間見せるGreg Lakeによる叙情さやリリカルさある楽曲も散りばめられています。もちろん、それはクラシカルさとジャズ系のエッセンスを基調とし融合させようとしたKeith Emersonによるクリエイティビティがあるからこそと思うのですが、原曲にロックのダイナミズムと云う息吹を与えた姿勢は特筆です。

アルバムは、印象的にも形を変えて演奏される「Promenade(プロムナード)」を、随所(冒頭曲1、3、7)に散りばめながら、進行していきます。

バンドらしさが濃厚に表現されているのは、たとえば、Kieh Emersonによる原曲「Blues Variations(ブルーズ・ヴァリエイション)」の変奏で、シンセサイザーのための導入と変奏曲である5「The Old Castle(古い城)」は、原曲でのロマンチシズム感をあとかたもなく分断されアヴァンギャルドに展開しています。逆に、原曲「The Old Castle(古い城)」の主題による変奏曲となる6「Blues Variations(ブルーズ・ヴァリエイション)」では、クロージング直前には、ジャズの巨匠:Bill Evansの1962年の楽曲「Interplay」が引用し、ロックとジャズの融合と云うまさにその姿勢を魅せつけてくれます。

原曲「The Curse Of Baba Yaga(バーバ・ヤーガの呪い)」の中間部を冒頭部に取り入れた9「The Curse Of Baba Yaga(バーバ・ヤーガの呪い)」も、ヴァース前半部には原曲「The Gnome(こびと)」を引用し、組曲全体の前半部との繋がりを感じさせると同時に、Emerson, Lake & Pamlerの一つの特徴である讃美歌風の楽曲、たとえば、名曲「Jerusalem(聖地エルサレム)」を彷彿とさせる唄メロのメロディラインを唄うGreg Lakeが聴けます。

そして、アルバムの最終曲は「Pictures At An Exhibition」とは全く別曲である「Nutrocker(ナットロッカー)」です。前曲11「The Great Gates Of Kiev, The End(キエフの大門)」の終了後にこだまするライブ会場の聴衆の大歓声に導かれ、アンコール曲のように収録されています。シングル曲としても発売された当楽曲「Nutrocker(ナットロッカー)」は、ロシアの作曲家:Peter Ilyich Tchaikovsky(ピョートル・チャイコフスキー)によるバレエ音楽の「The Nutcracker(くるみ割り人形)」をカバー編曲です。Emerson, Lake & Pamlerの一つの特徴である攻撃性もあるコミカルな楽曲、たとえば、「Are You Ready Eddy ?」(アルバム「Tarkus」収録曲)や 「Benny The Bouncer」(アルバム「Brain Salad Surgery」収録曲)などの心地良さの中、アルバムはクロージングします。

アルバム全篇、海賊版が賑わったほどに、バンドの当時の人気の凄まじさも伝わりますし、海賊版を回収したと云う並々ならぬ当楽曲へのバンドの愛情を感じさせてくれますし、Emerson, Lake & Palmerのオリジナル・アルバムの1枚と認識してもおかしくないぐらいと思いました。

[収録曲]

1. Promenade(プロムナード)
2. The Gnome(こびと)
3. Promenade(プロムナード)
4. The Sage(賢人)
5. The Old Castle(古い城)
6. Blues Variations(ブルーズ・ヴァリエイション)
7. Promenade(プロムナード)
8. The Hut Of Baba Yaga(バーバ・ヤーガの小屋)
9. The Curse Of Baba Yaga(バーバ・ヤーガの呪い)
10. The Hut Of Baba Yaga(バーバ・ヤーガの小屋)
11. The Great Gates Of Kiev, The End(キエフの大門)
12. Nutrocker(ナットロッカー)

最高傑作4thアルバム「Brain Salad Surgery」までの全4枚(1stアルバム「Emerson, Lake & Palmer」、2ndアルバム「Tarkus」、3rdアルバム「Trilogy」、4thアルバム「Brain Salad Surgery」)でのEmerson, Lake & Palmerの魅力を充分に魅せてくれる素晴らしいライブ・アルバムです。

全篇キーボードと怒涛なようなドラミングを基調とし激しさもあるハードなテイストのサウンドが好きな方におすすめです。

「Pictures At An Exhibition」のおすすめ曲

1曲目は9曲目の「The Curse Of Baba Yaga(バーバ・ヤーガの呪い)」
デミニッシュを多用し、Emerson, Lake & Palmerの一面にある讃美歌風のメロディラインに畳み掛けるハード・ロックなビートが新鮮に感じました。楽曲の和訳の一部「呪い」が似つかわしくない楽曲の展開もあり、印象強く心に残っています。

2曲目は4曲目の「The Sage(賢人)」
Greg Lakeのアコースティック・ギターの弾き語りによるリリカルさある楽曲ですが、原曲「Bydlo(ビドロ)」のコード進行を拝借することで、King Crimsonを彷彿とさせる一端を感じさせず、ハーモニクスも多用したギターのフレーズも印象的に、枯れた味わいのある素敵な楽曲と思います。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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