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プログレおすすめ:Dave Kerzner「New World」(2015年アメリカ)


Dave Kerzner -「New World」

第114回目おすすめアルバムは、アメリカのミュージシャン:Dave Kerznerが2014年に発表した1stアルバム「New World」のデラックス・バージョンとなる2015年版をご紹介します。
Dave Kerzner「New World」
Dave Kerznerは、1990年初期に、Kevin Gilbertと共にGIRAFFEのキーボード奏者としてプログレッシブ・ロックの演奏活動をしていました。1996年にKevin Gilbertが他界してしまい、その後、たとえば「Vintage Syhth」などのヴィンテージ・サウンドの音源を手掛けプログラミングする会社:Sonic Realityを設立します。Sonic Realityに従事するかたわら、Keith Emersonのクラシカルなサウンドを2000年代に復刻させたり、現代プログレッシブ・ロックのシーンで最重要人物となるSteven Wilsonと、彼の2011年発表のアルバム「Grace for Drowning」に関わっています。

また、Phil Collinsの息子:Simon Collinsの2008年発表のアルバム「U-Catastrophe」でキーボード奏者として参加し、2010年には、2人でバンド:Sound Of Contactを結成し、2012年に唯一のアルバム「Dimensionaut」も発表しましたが、2014年にソロ・キャリアの道を選択しました。

現代のプログレシーンにサウンド・メイキングで重要な位置を築く人物です。

そして、2014年に多くのゲスト・ミュージシャンとともに、当アルバム「New World」を制作しました。

今回ご紹介するアルバムは、正確には、その2014年に発表したアルバムに楽曲を追加した2015年発売のデラックス・バージョンです。

[収録曲]

1. Stranded (Part.1~Part.5)
2. Into The Sun
3. The Lie
4. The Traveler▼
5. Secret▼
6. Reflection▼
7. Under Control▼
8. Premonition Suite▼
9. In The Garden▼
10. The Way Out▼
11. Recurring Dream▼
12. Biodome▼
13. Crossing Of Fates
14. Theta▼
15. My Old Friend
16. Ocean Of Stars
17. Solitude
18. Nothing
19. Erased▼
20. Realign▼
21. Nexus▼
22. New World
23. Redemption (Stranded Part.6~Part.10)

2014年発表の1stアルバムに追加された楽曲は、上記収録曲のうち、楽曲横に「▼」を加えています。アルバム全篇のサウンドは、参加するゲスト・ミュージシャンの名前が並ぶとおりに、シンフォニック系のエッセンスに溢れ、GenesisやPink Floydを聴いてきたプログレッシブ・ロックのファンには、必聴ともいうべき1枚です。コンセプト立てされ、CD2枚組のボリュームなんです。

スペシャル・ゲストについて

プログレッシブ・ロック系のミュージシャンでは、1970年代のGenesis、Emerson, Lake & Palmer、1980年代のIt Bites、1990年代以降のBig Big Train、Spock’s Beard、YES、Porcupine Tree、Mostly Autumnで活躍、もしくは現在も活躍するメンバーが、そして、アメリカのロックシーンからChicago、Totoのメンバーも参加しています。

また、ボーカルには、プログレッシブ・ロック系とは関係なく、女性のシンガー・ソングライターが多く参加しているのも特徴です。

Nick D’Virgilio(as ex)Spock’s Beard、Big Big Train)
⇒全曲
Fernando Pedromo
⇒全曲
Steve Hackett(as Gnesis)
⇒1「Stranded」、23「Redemption」にギター参加
Francis Dunnery (as ex) It Bites)
⇒22「New World」にギター参加
Russ Parrish
⇒15「My Old Friend」にギター参加
Colin Edwin(as Porcupine Tree)
⇒2「Into The Sun」にフレットベース参加
Billy Sherwood(ex)Yes)
⇒13「Crossing Of Fates」にベースギター参加
Keith Emerson(as Emerson, Lake & Palmer)
⇒13「Crossing Of Fates」にムーグ参加
Simon Phillips(as ex) Toto)
⇒13「Crossing Of Fates」にドラム参加
Durga McBroom
⇒1「Stranded」、16「Ocean of Stars」、8「Premonition Suite」、9「In The Garden」、23「Redemption」、10「The Way Out」にボーカル参加
Lorelei McBroom
⇒16「Ocean Of Stars」、17「Solitude」にボーカル参加
Jason Scheff(as Chicago)
⇒1「Stranded」、23「Redemption」にボーカル参加
David Longdon(as Big Big Train)
⇒1「New World」、12「Biodome」にボーカル参加
Heather Findlay(as ex)Mostly Autumn)
⇒2「Into The Sun」、4「The Traveler」にボーカル参加
Emily Lynn
⇒17「Solitude」、23「Redemption」、8「Premonition Suite」、10「The Way Out」にボーカル参加
Lara Smiles
⇒17「Solitude」にボーカル参加
Maryem Tollar
⇒14「Theta」、15「My Old Friend」にボーカル参加
Christine Leakey
⇒16「Ocean Of Stars」、8「Premonition Suite」にボーカル参加
Ana Cristina
⇒1「Stranded」、8「Premonition Suite」にボーカル参加
Satnam Ramgotra
⇒14「Theta」にタブラー参加

デラックス・バージョンでは、4「The Traveler」に参加している元Mostly AutumnのHeather Findlayの唄声が聴きどころからもしれません。

また、あらためて2014年版のスタンダード・バージョンの楽曲を聴いてみると、冒頭部の1「Stranded (Part.1~Part.5)」と2「Into The Sun」のファンタジックでいてメロウなアンサンブルは素晴らしい仕上げりで、テクニカルなゲスト・ミュージシャンが揃った13「Crossing Of Fates」もダイナミックでいて躍動さには圧倒されます。
そして、なんといっても、アルバム・タイトル曲である22「New World」の甘酸っぱさ溢れるファンタジックな唄メロのメロディラインには、まるで1960年代のThe Monkeesのようなコーラス感や、元Beatlesの故George Harrisonを彷彿とさせるギターのサウンド感が堪らないです。

テクニカルなミュージシャンの参加があるにも関わらず、アルバム全篇に溢れるコーラス感、古き良きアメリカPOPの唄メロなど、ふくよかなメロディラインの比重が高く、ファンタジックでメロウなシンフォニック系を聴く方におすすめです。

もちろん、豪華なゲスト・ミュージシャンの参加や、古き良きプログレッシブ・ロックのサウンドをクオリティ高く再現させるミュージシャンによるソロ・アルバムを聴くと良いとも思うのです。

アルバム「New Wolrd」のおすすめ曲

1曲目は、23曲目「New World」
The Beatlesの1996年のヒット曲である楽曲「Real Love」が脳裏をよぎってしまうSummer Of Loveのようなサウンド感が堪らないからです。

2曲目は、冒頭曲「Stranded (Part.1~Part.5)」
アルバム全篇の顔ともいうべき、当楽曲を聴けば、スッとアルバム最終曲まで聴き入ってしまいます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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