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John Wetton:詠みて時を感じ其の歌声は永遠に


詠みて時を感じ其の歌声は永遠に

去る2017年1月31日(火)、イギリスのロックバンドで現Asiaのボーカリスト兼ベーシスト:John Wettonが亡くなったことがFacebookアカウントで公開されました。享年67歳、就寝中に死去したとのことです。

結腸癌を患っており、今年3月から4月にかけてアメリカのロックバンド:Journeyとのジョイントツアーを控え、療養に入っていたとのニュースを1月中旬に目にしていました。よもやという感覚ではなく、不安な気持ちを感じていましたので、とても悲しい気持ちでいっぱいです。

1970年代のロックシーンを先駆したイギリスのバンドに於いて、5大プログレバンド:King Crimsonの第2期で名盤3枚(「Larks’ Tongues in Aspic」、「Starless And Bible Black」、「Red」)に関わり、Led ZeppleinやDeep Purpleとともにハードロックの先駆者となるプログレ・ハード:Uriah Heepの1970年代中期のプレイ、妖艶に華麗ナルサウンド:Roxy MusicやWishbone Ash、その後のAsiaを予見するデモを残したAtoll期、日本のロックバンド:RXの2001年発表の3rdアルバム「Elements」での参加や、イギリスのミュージシャン:Tom Galleyが中心になって結成したハード・ロック・プロジェクト:Phenomenaの1988年発表の2ndアルバム「Dream Runner」の3曲目「Did It All For Love」など、ベーシストとしてもボーカリストとしても多くの名曲やパフォーマンスで後世の音楽業界に語り継ぐべき存在です。特に、U.K、Asia、Iconでのパーマネントなメンバーとしてメイン・コンポンザーで存分に心に響かせてくれました。

「ジャケ借り」もしくは「帯借り」してたCDレンタル時代に出逢う

海外のアーティストのアルバムを聴こうとし、まず何から聴いて良いのか分からない時ってありませんか?

学生の頃、CDレンタルショップに足を運んでは、自分の中でお題を設定(外国の土地の名称(America、Asia、Boston、Chicagoなど)に関わるバンド名のアルバムを探して聴く。)し、音楽を聴いていた時期がありました。今から思えば、なんなんだろう?という時期ですが、「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ借り」もしくは「帯借り」でした。

そう、Asiaの1982年発表の1stアルバム「Asia(邦題:詠時感~時へのロマン~)」に出逢うのです。その冒頭曲「Heat Of The Moment」・・・イントロのSteve Howeのギター・リフに導かれ、John Wettonの伸びやかでいて力強く、そして聴き心地良いボーカリゼーションに一瞬にして虜にされていました。Carl Palmerのバスドラムのタメが入るや、サウンド・パノラマが煌びやかに拡がることで、John Wettonの歌声の良さはより一層伝わってくるんです。

そして、2曲目「Only Time Will Tell(邦題:時へのロマン)」・・・衝撃です。John Wettonの伸びやかな歌声に、その唄メロのメロディラインを活かすような輪唱、および、ギターのカウンターメロディなど、こんなにも素敵な音楽と歌声があったのかと、続いて、3曲目「Sole Survivor(邦題:孤独のサヴァイヴァー)」、4曲目「One Step Closer」、5曲目「Time Again」、6曲目「Wildest Dreams(邦題:この夢の果てまで)」、7曲目「Without You」、8曲目「Cutting It Fire(邦題:流れのままに)」、最終曲「Here Comes The Feeling(邦題:ときめきの面影)」まで、一気に魅了されていました。

アルバム発売当時はリアルタイムではありませんでしたが、発売当時に売れたことも頷けましたし、産業ロックと云う言葉で片付けられない輝きを強く感じたんです。また、聴いた当時、サラウンド・システムで音楽を聴くことを好んでいたのですが、そのサウンド・パノラマの迫力や奥行きには、今、数十年経っても異なるシステムで替えの効かない存在のまま心に生き続けています。今でも当時の音から受けた衝撃を感じさせてくれるようなヘッドフォンやイヤホンを探しては見つからない日々を過ごしてます。

・・・話が逸れてしまいましたが・・・続く1983年発表の2ndアルバム「Alpha(アルファ)」では、サウンド・パノラマを感じる以上に、John WettonとGeoffrey Downesがメイン・コンポンザーのメロディラインの楽曲が並び、「Don’t Cry」、「My Own Time」、「Midnight Sun」、「Open Your Eyes」やシングルのカップリング「Daylight」など、John Wettonの歌声が活きたメロディアスでポップな楽曲もまたしても魅了されました。1stアルバムで感じえたプログレッシブ・ロックの面影は薄れ、ポップなハードロックに近しい楽曲展開ですが、魅了された心はただただこの音楽を聴き深めていくだけでしたですね。

その後、1985年発表の3rdアルバム「Astra」とベストアルバム「Now And Then」やライブアルバム発売で音楽業界から消え、2008年発表のアルバム「Phoenix」で25年振りに復活し、以降順調にアルバムを重ねていた矢先に・・・。Asiaでの活動がない時期には、John Wettonの歌声とベースプレイを聴きたく、ソロ・アルバムをはじめ、King Crimson、Uriah Heep、Roxy Music、Wishbone Ash、Atoll、RX、Phenomena、U.K、Icon、Family、Qangoなど聴き漁っていました。

1970年代のプログレッシブ・ロックと云うジャンルで確かな足跡を残しつつも、拡く2017年1月31日までの間に、それ以上にロックシーンに足跡を残したJohn Wettonに関わる音楽は、ジャンル云々で括れない、この1ページでは纏まりきれない私情も交錯してしまいます。

どうか安らかにとご冥福を祈り願う気持ちとともに、その音楽がより多くの音楽ファンの方に伝わり続けて欲しいという気持ちでいっぱいです。

—————–
ファンの方であれば、思入れのある楽曲はいくつもあるかと思います。管理人も同じです・・・。そのうち、ふと思い浮かぶ3曲をご紹します。

まずは、1983年発表の2ndアルバム「Alpha」から3曲目「My Own Time (I’ll Do What I Want)」です。
Asia – My Own Time (I’ll Do What I Want)


Asiaで「Only Time Will Tell」、「Heat Of The Moment」、「Kari-Anne」、「Never Again」など思い浮かべる楽曲は数多くあれど、歌詞も含めポジティブな気持ちで聴いてしまいます。

・・・Faith in myself・・・

自分を信じ

・・・Gives me the strength to carry on・・・

強さをもたらせてくれる

・・・I’ll do what I want to anyway・・・

とにかく自分がしたいことをしよう

・・・I’ll do what I want and I’ll do it in・・・

とにかく自分がしたいがためにしたいことしよう
・・・My own time・・・

自分に与えられた時間に、

個人的に解釈ですが、限られた時間に自分を信じ、自分が望むように進まなきゃ、と捉える歌詞感に何度も救われた気がします。

2曲目は、Uriah Heepの1975年発表のアルバム「Return To Fantasy」のアルバム冒頭部を飾る楽曲「Return To Fantasy」です
Uriah Heep – Return To Fantasy


当時John WettonがUriah Heepに初参加したアルバムでした。ここ数枚のUriah Heepのアルバムの方向性からしたら、まさに「幻想への回帰」と謳ったアルバムに相応しく、Uriah Heepらしさ溢れるコーラスワーク、オルガンの重厚なサウンドが存分に愉しめます。ボーカルはDavid Byronであるため、John Wettonはベースプレイに徹しているのは想像できるのですが、このベースプレイのブリブリ感がたまりません。

そして、最後は、King Crimsonの1974年発表のアルバム「Starless And Bible Black(邦題:暗黒の世界)」の収録楽曲「Trio」です。
King Crimson – Trio


「Starless」、「Fallin Angel」、「Exiles」なども迷ったのですが・・・ベース、メロトロン、ヴァイオリンによる三重奏なるアンサンブルはとても消え入りそうでいて、静寂から仄かな灯とともに聴き入ってしまいます。ヴァイオリンの弦の響きや包み込みカウンターメロディを奏でるメロトロンに耳が奪われがちですが、John Wettonのベースとともにあることで穏やかに心に問いかけてくるような気がしてなりません。

ヴァイオリンとメロトロンに包まれつつも三重奏であるベースに確かな息遣いを感じ、涙なくして聴けなくなってしまうんです。

あらためて・・・

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John Wettonのご冥福をお祈り申し上げます。
Please accept my sincere condolences over the passing of John Wetton.
そして、素晴らしい音楽と歌声ををありがとうございました。
And thank you for your wonderful music and voicing From old days.

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My condolences go to the whole family.

2016年もプログレッシブ・ロック関連のみならず、著名なミュージシャンの悲報を受け取りました。2017年にこんなにも早く、悲しきことに触れるなんて辛すぎます。どうしてもやりきれなくなった時には音楽を振り返り、心の底から感じえて消えぬよう暮らしていきたいですね。

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