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「Sunset」by Michael Giles ~癒し系おすすめ楽曲15~


1日10分だけのページです。

1日10分だけプログレッシブ・ロックの音楽を聴くことが出来たら、何を聴きますか?

第15回目は、イギリスのミュージシャン:Michael Gilesが2002年に発表したソロ・アルバム「Progress」収録楽曲です。

当アルバムは、実は、1978年にはレコーディングされながらも発売がお蔵入りとなっていましたが、2002年に、Ian MacDonaldとらともに、21st Century Schizoid Bandを結成した際に、突如として発売されたアルバムです。

実弟のPeter Gilesや、プログレッシブ・ロックバンド:Caravanの新旧メンバー:Geoffrey Richardson、John G. Perry、Jimmy Hastingsらをはじめとした各種管弦楽器奏者などのカンタベリー系の人脈をゲストに迎え、ジャズ系のエッセンスに溢れた演奏が聴けるアルバムです。なかでも8曲目「Sunset」は、アルバムの楽曲中ではもっともしっとりとした演奏を聴かせてくれます。

では、聴いてみましょう。

Michael Giles -「Sunset」

Michael Giles – Sunset


ピアノがリリカルな音階を奏でるオープニングに導かれ、35秒前後からはピアノがアンサンブルに、アルトサックスと女性ボーカル:Catherine Howeによるスキャットがテーマを奏でていきます。1分40秒前後からのアルトサックスに、ヴィオラがテーマを奏でるパートをアクセントに、2分30秒前後からはCatherine Howeによるスキャットも際立ち、3分前後からはピアノを中心に徐々に音数を減らし、消え入るようにクロージングします。

オープニングからクロージングまで、Mickael Milesの繊細なドラミングも合わさり、徐々に地平線の下へと太陽が沈むさまが、ゆったりとサウンドスケープしてしまいます。特に、2分前後でテンポアップし、2分30秒前後からのCatherine Howeによるスキャットによるテーマは、いまや太陽がほぼ地平線に沈み込みつつある、太陽に感じるアタタカミから夜の帳りによるシズケサへとうつろう瞬間を胸の奥底に響いてきそうな感覚なんです。

当楽曲以外も、21st Century Schizoid Bandのライブで取り上げられたカンタベリー系のファーストタッチな楽曲「Progress」や、テクニカルさや技巧ある演奏が盛り込まれた楽曲「Midsummer Day」など、約24年もの間、地下に埋もれていたともったいないぐらいのクオリティの演奏が聴けるアルバムです。

もしも、21st Century Schizoid Bandが結成されていなかったら・・・、と考えさせられてしまいますね。

それでは次回、第16回目をお楽しみに。

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