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映画「The Departed(ディパーテッド)」挿入歌にプログレPink Floydの「Comfortably Numb」!

公開日: : 最終更新日:2015/12/02 映像利用曲 ,


映画「ディパーテッド」の挿入歌「Comfortably Numb」

マーティン・スコセッシ監督・製作により2003年に公開された映画「The Departed(ディパーテッド)」では、数多くのロックの名曲がサウンドトラックとして利用されてます。たとえば、The Rolling Stones、John Lennon、Joe Cuba、he Allman Brothers Band、The Beach Boysなど、錚々たる著名なミュージシャンですね。

そして、プログレッシブ・ロックの楽曲として、5大プログレバンドのうちの1つ:Pink Floydが1980年に発表した楽曲「Comfortably Numb」が取り上げられており、サウンドトラック盤の冒頭曲に収録されています。ただ、楽曲はVan Morrisonによるソロ楽曲のような印象でありながらもRogers Watersなる人物のセルフカバーな位置付けです。

当レビューでは、映画のトレーラーを紹介します。マフィアのボス:フランク・コステロに扮するジャック・ニコルソンが何事もなく街並みを悠々と歩みながら、半生を振り返る映画冒頭のシーンに、The Rolling Stonesの「Gimmie Shetler」(1969年発表「Let It Bleed」収録)の女性コーラスを効かせたイントロ導入部が印象深いトレーラー冒頭部が強烈です。この「Gimmie Shetler」がサウンドトラックに含まれていないので不満となるファンも多いことと思います。

[映画「ディパーテッド」のトレーラー]

楽曲「Comfortably Numb」はトレーラーで約30秒間(1分40秒から2分20秒)で確認することが出来ます。劇中では、レオナルド・ディカプリオが扮する潜入捜査官:ビリー・コスティガンとヴェラ・ファーミガ扮するマドリンのラブシーンで聴くこと出来ます。偶然知り合った二人ですが、表面上はマフィアへの潜入捜査官のビリー・コスティガンは、自分にカウンセラーとして接するヴェラ・ファーミガには素性を明かせないことからごく限られたことしか伝えることが出来ません。それでもなお、二人の関係が深まっていく、という流れで楽曲「Comfortably Numb」が演出効果を与えているのではないかと思いました。

楽曲「Comfortably Numb」について

当楽曲は、1985年にPink Floydを脱退したRogers WatersがVan MorrisonとThe Bandによる共演という形式でクレジットされていますが、1990年に行ったライブ音源を提供しているとのことでした。

楽曲「Comfortably Numb」の歌詞世界では、ドラッグで混沌とした意識になってしまい、痛みもなく麻痺していく主人公Pinkに、治療している医者との2人の対話をイメージしています。最終的に、アルバム「The Wall」のコンセプトでもある自我の目覚めにも近く、少年時代は終わり、夢が終わったとあり、さらに主人公Pinkは心地良く麻痺していく(I have become comfortably numb.)と、医者に赤裸々に綴るのですが・・・。

ボーダーラインを超えることが出来ない人と人との関係(男女関係)を楽曲「Comfortably Numb」という歌世界で表現しているかのように感じましたね。

「男は、死ぬまで正体を明かせない。」

映画「ディパーテッド」では、キャッチコピーで「男は、死ぬまで正体を明かせない。」がありました。2002年公開の香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクとして、マフィアへの潜入捜査官:ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ役)と警察に潜入したマフィア:コリン・サリバン(マット・デイモン役)が任務を遂行しながら、さらに組織内部へ潜入していき、お互いの元関係者へ情報をリークしていくという流れは、リメイク元の香港映画「インファナル・アフェア」の第1作目のストーリーの道筋に忠実に展開しているのではないでしょうか。

ただ、映画のラストシーンは明らかに異なります。そこで初めて「男は、死ぬまで正体を明かせない。」というキャッチコピーが脳裏をよぎります。映画を観て共感してくれた人がいたら嬉しいのですが、この場では大きなネタバレとなってしまいますので、伏せさせて頂きます。

マーティン・スコセッシ監督と映画音楽と

マーティン・スコセッシ監督の映画では、1970年代から1980年代にかけて、「マーティン・スコセッシ」×「ロバート・デニーロ」×「ショーン・ペシ」がタッグを組めば最強映画になるとの想いで、映画を観ていました。アカデミー賞のノミネートすること6度目にして、当映画は第79回アカデミー賞監督賞・作品賞を受賞しました。素晴らしい功績ですね。

いっぽうで、当筆者が敬愛するキャメロン・クロウ監督と同様に、マーティン・スコセッシ監督もまた、映画と音楽に密接な繋がりがある方です。
1990年公開の映画「グッドフェローズ」、1995年公開の映画「カジノ」、2002年公開の映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」や当映画「ディパーテッド」などで、ロックの名曲が多く利用されていたり、2008年公開の映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」と2011年公開の映画「ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」では、ミュージシャンとの密接の繋がりを魅せたドキュメンタリー映画も製作しています。

今回は、プログレッシブ・ロックの楽曲に焦点を当てるというとこで、楽曲「Comfortably Numb」を取り上げさせて頂きましたが、映画を彩るロックの楽曲は、映像と合い間って素敵な「サウンドスケープ」を描いてくれる素晴らしいんです。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら、ぜひ映画「ディパーテッド」やサウンドトラックを観て聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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