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プログレおすすめ:David Cross & Robert Fripp「Starless Starlight」(2015年イギリス)


David Cross & Robert Fripp -「Starless Starlight」

第195回目おすすめアルバムは、イギリスのミュージシャンであるDavid CrossとRobert Frippがコラボレーションし、2015年3月に発表したアルバム「Starless Starlight」をご紹介いたします。
David Cross & Robert Fripp「Starless Starlight」

あのKing Crimsonの名曲「Starless」(7thアルバム「Red」収録)が現代に甦る!とは、言い過ぎですが・・・。

2006年にRobert Frippがライブで楽曲「Starless」をモチーフにしたパフォーマンスを行います。そのパフォーマンスにDavid Crossが感銘を受け、その後、Robert Frippからの申し出を受け入れ、当コラボレーションが実現したようです。

King Crimsonファンならご存知の通り、第2期King CrimsonのメンバーとしてDavid Crossは参加しながらも、6thアルバム「Starless And Bible Black」を最後に脱退してしまい、楽曲「Starless」が収録された7thアルバムではゲスト参加扱いであったのです。

個人的に、AsiaのライブでJohn Wettonが唄う楽曲「Starless」のカバー演奏もオリジナルのボーカリストとして聴けて嬉しいですが、当CDのライナーノーツに楽曲「Starless」に対する想いが綴られ、並々ならぬ想いで制作したDavid Crossのヴァイオリンと、そのヴァイオリンの旋律をRobert Frippがサウンドスケープと云うスタイルで、さまざまなクリエイティブで聴かせるのは、
『「Starless」ヴァイオリン変奏曲集』とも云えるモダンでクラシカルな逸品として、聴ける1枚です。

楽曲について

冒頭曲1「Starless Starlight Loops」は、David Crossによる楽曲「Starless」への想いを綴るかのように冒頭部から独奏で旋律を響かせていきます。そして、3分前後から数秒程度ちらほらと耳に入る楽曲「Starless」の中間部のパートが聴ければ、聴き手にとっては、おそらくKing Crimsonの楽曲「Starless」を聴き感じていた瞬間を呼び覚まし、その瞬間の想い出が脳裏をよぎるのではないでしょうか。それも束の間、3分50秒前後に、聴き手の脳裏をいったん遮断するかの如く、David Crossのヴァイオリンの荒れぶるう旋律が耳に入ってきます。

楽曲を通じ感じなければいけないのはDavid Crossだと思うのに、そのまま自分自身が楽曲から受けた感覚に浸っていることに気づかされます。

では、冒頭曲1「Starless Starlight Loops」に触れてみて下さい。

David Cross & Robert Fripp – Starless starlight loops


いかがでしたか?冷静になってDavid Crossへの想いを感じ取れるでしょうか。

続く2「In the Shadow」から最終曲8「Sure of the Dark」まで、David Crossの楽曲「Starless」に対する想いと、Robert Frippによる様々なバリエーションで綴られていきます。

中でも、5「Starless theme」は原曲により近づいた変奏と思いました。

David Cross & Robert Fripp – Starless theme


「Staless」が意味する「星ひとつないセカイ」に相反し、「星が輝くセカイ」となる「Starlight」に「Trio」と云う単語がついた7「Starlight Trio」は、感慨深いものがありますね。楽曲「Starless」の断片が聴けるものの、もしも、第2期King Crimsonの最終形態であるトリオ編成にて、楽曲「Starlight」が制作し演奏されていたら、このアンビエントとも取れる音世界をどう具現化させたのだろうか、と思ってやみません。個人的には、いつもその余韻を感じるままに、最終曲8「Sure of the Dark」を聴き終えてしまうことがしばしばあります。

[収録曲]

1. Starless Starlight Loops
2. In the Shadow
3. Shine and Fall
4. Starless Theme
5. One By One, the Stars Were Going Out
6. Fear of Starlight
7. Starlight Trio
8. Sure of the Dark

アルバム全篇、ヴァイオリンの変奏集と取れる演奏には、アンビエントなサウンドに包まれていますので、ヴァイオリンをメインとする楽曲でもクラシカル寄りなアルバムやアンビエントを聴きたい方におすすめです。

もちろん、David Cross、Rober Fripp、そして、Rober Frippが同様にサウンドスケープとして参加するKing Crimson Projecktのアンサンブルやサウンド・メイキングを好きな方にもおすすめです。

楽曲「Starless」を好きな方、一緒に当アルバムでの想いに聴き入ってみましょう。

「Starless Starlight」のおすすめ曲

※当アルバムは、全曲インストルメンタルのため、おすすめを控えさせていただきます。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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