「宇宙をかける少女」挿入歌「Scramble!!」がプログレPFMの名曲「The Mountain」に聴こえる?!
公開日:
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最終更新日:2015/12/02
映像利用曲 Premiata Forneria Marconi, 宇宙をかける少女
挿入歌「Scramble!!」
以前、少し話題にはなったようです。2枚のサウンドトラックには入らず、ベスト盤の挿入歌として、いっそう存在感を与えた楽曲です。
アニメは観れていないのですが・・・(観れる気力はないのですが・・・)
「時をかける少女」に名称が近く気になったことと、プログレッシブ・ロックの楽曲に触れられるということで、何度か聴き比べたものです。
それでは、まずは聴いてみよう!
↓
[挿入歌「Scramble!!」]
・・・聴いてみた。
サウンドトラックを担当する須藤賢一氏は楽曲にプログレ要素を入れ込むのを好むといいます。この「Scramble!!」はピアノの打音ではじまり、特徴あるギターのフレーズに、シンセとテクニカルなギターのフレーズが交錯し、後半のクワイアが印象的な2分弱の楽曲ですね。
似ている曲「The Mountain」
「Scramble!!」にとても似ているという曲は・・・
イタリアのプログレッシブ・ロックバンド:PFM(PREMIATA FORNERIA MARCONI)が英語版で世界を意識し、1974年に発表したアルバム「The World Became The World」の冒頭曲「The Mountain」です。PFMは、イギリスの5大プログレバンドのうちの1つ:Emerson, Lake & Palmerのライブの前座で演奏し、ボーカルのGrek Lakeに見出され、さらに、King Crimsonの初期準メンバーともいうべき、詩担当のPete Sinfieldがワールドワイドな活動展開をするにあたり「Premiata Forneria Marconi」から「PFM(あるいはP.F.M)」と呼称したことで有名なバンドです。イタリアの地特有のメロディ感や器楽性を持ちつつも、どことなく優雅で優美な曲調を持つPFMのアルバムは当レビューでも「プログレおすすめ」のアルバムとして取り上げたいと考えています。
では聴いてみよう。
↓
[PFM(PREMIATA FORNERIA MARCONI)の「The Mountain」]
・・・聴いてみた。
みなさんはいかがでしたか?
イントロのクワイアのパート、2分15秒前後のギターのフレーズ、3分前後のギターのフレーズなどを聴けば、楽曲「Scramble!!」はまるで「The Mountain」のボーカル無しのエディット版の印象すらあります。さらに、この「The Mountain」をオマージュさせるかのようにして、アニメのサウンドトラックに落とし込んだクリエイティブにただ驚きを隠せません。「The Mountain」は、他にも、5分前後以降の後半パートなど、テクニカルさのある聴きどころのあるパートも溢れています。
アニメ「宇宙をかける少女」のサウンドトラックには
実は、当楽曲「Scramble!!」を含む2009年発表のサウンドトラック盤「宇宙をかける少女 O.S.T BEST Collection」は、先に発表されたサウンドトラック盤2枚分のベスト盤に近い体裁なんです!1枚目のサウンドトラック盤「宇宙をかける少女 O.S.T Vol.1 LEOPARD」と2枚目のサウンドトラック盤「宇宙をかける少女 O.S.T Vol.2 P.O.D.」には、須藤賢一氏をはじめとし、菊谷知樹氏などによる、Emerson Lake And Parlmer、YES、New Trollsなどの楽曲を彷彿させるプログレッシブなエッセンスが満載なんです。
偶然にも、インターネットで噂になったことで出逢った楽曲「Scramble!!」は、よりくっきりとした印象でしたが、サウンドトラック盤には、挿入歌を制作した各ミュージシャンによるプログレッシブ・ロックの名曲に対するオマージュや愛を濃厚に感じさせてくれます。アニメを観るのはとっつきにくいかもしれませんが、サウンドトラック盤をレンタルし聴き込むのはいかがでしょうか。自分だけにしか感じえない、楽曲制作者の意図を感じ取ることも出来るかもしれません。
このレビューを読み、ご興味を持たれましたら、ぜひ、アニメ「宇宙をかける少女」のサウンドトラック盤を聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。
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