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プログレおすすめ:Believe「Yesterday Is A Freind」(2008年ポーランド)

公開日: : 最終更新日:2016/11/05 2000年代, ヴァイオリン, ネオ・プログレ, フルート, ポーランド ,


Believe -「Yesterday Is A Freind」

第67回目おすすめアルバムは、ポーランドのネオ・プログレ系のプログレッシブ・ロックバンド:Believeが2008年に発表した2ndアルバム「Yesterday Is A Freind」をご紹介します。

Believe -「Yesterday Is A Freind」
Believeは、2006年に、ギタリスト:Mirek Gilを中心にTomek Rozycki(ボーカル、アコースティック・ギター)、Przemas Zawadzki(ベース)、Vlodi Tafel(ドラム)、日系の女性ヴァイオリン奏者:Satomiの5人で結成されたバンドで、同年に、1stアルバム「Hope To See Another Day」を発表しています。

1990年代以降、同国ポーランドではネオ・プログレ系のバンドが台頭し、Mirek GilもCollageの一員として、2003年にはSatelliteの1stアルバム「A Street Between Sunrise And Sunset」に参加し活躍しています。

Believeの音楽の特徴は、そのポーランドのネオ・プログレ系の系譜を継承しつつも、まずは、Mirek Gilの優しさを感じる唄メロのメロディラインが根底にあると思えてなりません。さらに、ヴァイオリンやアコースティック・ギターをメインとしたアコースティカルさを大切にしたアンサンブルに、東欧らしさ溢れる特有の叙情さや優美さを感じるのです。

当アルバム「Yesterday Is A Freind」は、1stアルバム制作時のメンバーに、キーボードとフルートの奏者をゲストに迎え制作されています。いくぶんミステリアスさがあるサウンド・メイキングにも、

ヴァイオリンとアコースティック・ギターに、優美さにも憂いを帯びたメロディラインが際立つアルバムです。

楽曲について

冒頭曲1「Time」は、オルナティブ・ロック風にアコースティック・ギターのカッティングとアルペジオの変則的なシンコペーションが心地良く、ヴァイオリンのフレーズも聴ける幻想さのあるイントロで幕をあげます。男性ボーカル:Tomek Rozyckiによる物憂げなボーカリゼーションによるヴァースはマイナー調にもオルタナティブ・ロックな様相ですが、抑制を効かせたボーカリゼーションであることや、エレクトリック・ギターのバッキングにヴァイオリンがカウンター・メロディで加わるアンサンブル、サスティーンを効かせたギター・ソロ、それらを取り巻くキーボードのフレーズなども含め、独特な世界観が垣間見えます。

1曲目から唄モノとして十分すぎるぐらいに刹那さ溢れたサウンドスケープを感じさせてくれます。

2「Tumor」も1「Time」のようにアコースティック・ギターのカッティングとアルペジオが印象的なイントロですが、15秒前後から奏でられるヴァイオリンの不穏なフレーズや、続くボーカリゼーションが中近東を想起させるメロディ感に、オカルトチックなミステリアスさを感じずにいられません。4分25秒前後にアンサンブルに加わるキーボードとギターのシークエンスを活かしたフレーズに一種の清涼さを感じ、ホッとしながらクロージングします。1「Time」とは異なる楽曲前半部にポーランドの地特有のネオ・プログレ系のバンドらしさがあるのではないかと感じました。

3「What they Want (Is my Life)」は1や2よりもシンプルさを感じるアコースティック・ギターのカッティングがヴァースを牽引し、ヴァイオリンがアンサンブルに加わることで優美さを感じさせてくれる楽曲です。3分前後のエレクトリック・ギターのフレーズに、ヴァイオリンも加わるブリッジ部がアクセントとなり、3分50秒以降のアコースティック・ギターのカッティングと唄メロがとても穏やかさでいて、さらにフルート、ピアノが加わる優美な演奏に恍惚となってしまいそうになるんです。5分30秒前後からのリズミカルなベースが聴かれ、そのリズムを活かしたアコースティック・ギターとヴァースの展開や、7分前後からのエッジの効いたエレクトリック・ギターのフレーズとヴァイオリンによる旋律からクロージングにかけての展開には、優美さを感じずにいられません。

和を感じる琴のような音階と、独特なコーラスに導かれてはじまる4「Mystery is Closer」は、その楽曲を直訳した「神秘が近づいてくる」に相応しいイントロと感じる楽曲です。ミステリアスさのあるボーカリゼーションに1分25秒以降のサビにあたるメロディラインと対をなすヴァースでのギターとヴァイオリンによる繊細なアンサンブルとには、静と動を活かす楽曲とは異なるカタチで、メロディラインを際立たせる素敵なアレンジによるメリハリさを感じます。

アコースティックギターのイントロではじまる5「You & Me」も、ヴァイオリンやピアノがアンサンブルに加わり、優美でいて素敵な世界観を感じる楽曲です。中間部のベースのフレーズに続き、サスティーンを効かせたギター・ソロ、絡み合うピアノの音階、そして、ヴァイオリンによる旋律から醸し出される「音」には、3「What they Want (Is my Life)」よりもアコースティカルさの比重が高い優美さに、しっとりとしたサウンドスケープを思い浮かべてしまいます。

ロックなアプローチのアンサンブルではじまり、ミステリアスなメロディラインをもつ6「Danny had a Neighbour」、リズムチェンジを繰り返すアンサンブルに、唄メロにヴァイオリンは終始ユニゾンで奏でる7「Memories」、当アルバムの楽曲で最もヴァイオリンの印象の比重が高い8「Unfaithful」、中近東風に富んだサウンド感が穏やかに、そして唄メロのラストの一節「See you Next Time」でクロージングする2分弱の小曲9「Together」まで、憂いさと優美さが、当アルバムの「芯」であると強く感じずにいれません。

アルバム全篇、前後する前作1stアルバム「Hope To See Another Day」や次作3rdアルバム「This Bread Is Mine」よりも、優美さと憂いさは、アコースティカルさやヴァイオリンの旋律も含め、最もバランス良く感じる素晴らしい仕上がりと感じました。アコースティックギターのカッティングやアルペジオをメインに活かし繊細さを感じながら、ヴァイオリンによるミステリアスで優美なアンサンブルに、さらにピアノやフルートが加わることで、憂いさを感じつつも、優美さを感じさせてくれるのです。

[収録曲]

1. Time
2. Tumor
3. What they Want (Is my Life)
4. Mystery is Closer
5. You & Me
6. Danny had a Neighbour
7. Memories
8. Unfaithful
9. Together

ネオ・プログレ系のプログレッシブ・バンドが好きな方におすすめです。

特に、ギタリストのMirek Gilが所属していたCollage、よりデジタル感のあるSatellite、よりハードなMilleniumなどのポーランドのシンフォニック系のプログレッシブ・ロックバンドが好きな方にはおすすめです。

また、ミステリアスさもありますが、アコースティカルさに、ヴァイオリン、ピアノ、フルートが絡み合う音楽で、叙情さ、優美さ、優しさを感じるプログレッシブ・ロックのアルバムを求めたい方にもおすすめです。

アルバム「Yesterday Is A Freind」のおすすめ曲

1曲目は4曲「Mystery is Closer」
冒頭の中東に位置するポーランドの特有なサウンド感と、サビにあたる「Closer」のメロディアスなメロディラインがとても印象的なんです。そして、そのサビがリズムチェンジを奏でられていく様に聴き入ってしまうんです。

2曲目は5曲目「You & Me」
アルバム中でも最もアコースティカルな楽曲であり、その唄メロも他楽曲と異なり、終始流麗なライン。抑制されたボーカリゼーションが、ヴァイオリン、ピアノの加わるアンサンブルに当アルバムでも最もマッチングしていると感じ、ほんのりと優美なサウンドスケープに耽ってしまいますね。

このレビューを読み、ご興味を持たれましたら聴いてみて下さいね。ぜひぜひ。

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